akinoshiroihana
2024-09-27 22:46:39
1143文字
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かわごろも

何処にも保存してないかもしれないのが新書メーカーログから出て来ましたので



まるで瞑想でもするように、あるいは夢を見るように
蜥蜴たちは薄明薄暮れのとき、静かに光の中、微動だにしなくなる。水槽の中で。

それは紫外線を感じ、浴びようとしている姿だと人は言う
そういえば海底の国の家々の寝室は、人々が肌を晒す場所だからこそ、しばしばそんな色の照明が用いられていた。「猿猴人類」にも別の目的があって使う者はいるが、橘翔は提供された部屋を断った。こういうのは我々の界隈でのいささかいかがわしい施設の様相に似てしまっているのです、と
「この照明は、彼らの脱皮の具合が良くなるはずだぞ」
研究所の実験動物たちにもUV灯は付けてやっていたな、アルビノ種の白い肌や赤い目には強すぎたようだが
翔が従う黒髪の男が教える傍ら、白い肌と赤い目で、しかし半分以上が猿猴人類の皮膚に覆われた子供は賓客用寝室の青と紫を帯びた光の下、手を目の上に翳してみては、そうしてはいけないのかもしれない、とやめるのを数度繰り返した後腕をふらりと下ろしたところだった、紫外線はやや強すぎて、彼にも猿猴人類にも長時間浴びれば火傷以上の危険があろうレベルだったのだが。

神隼人はその「いかがわしい」光に満ちた天井を仰いだ後、
「おいで」
白いが使い込まれたその手を子供にのべて呼び、かけていたサングラスを外し、屈み込んで子供にかけてやった。
翔は別の部屋を頼むといい、しかし私とこの子は返事を濁したままには終われまいよ、そう言って青と紫を浴びた、おそらく白いベッドに腰掛ける。ぎしり、と音がした。子供の体をすっぽり覆うようにシーツを巻き付けて、大きすぎるサングラスをした頭部まで紫外線装置から遮断とまではいかないまでも遠ざけようとする男に、聡い子供は抵抗を見せた、自分のためではないものを。男は人差し指を自身と子供の唇に順に軽く当てた後、なにごとかを子供に囁き、そのわがままを封じた

黄昏時の空は好きかい?私は好きだよ
友達が出かけて行った時の空だ


かくて時は過ぎ、いまゲッターロボ二号機パイロットの私室には時折青いような紫のような明りがともる。
朝の髭剃りにも似て、もっと広い部位に脱皮の頃合いを感じるとデニムパンツ一丁か下着姿か何かそういった格好で部屋にいることがあるから、訪問したければ事前に言っておいてやれ、と髪がとても長く、あまりに早くすっかり白くなった神隼人司令がモニターから振り向かないまま言ったのに、逞馬と獏ははい、だかへぇ、だか輪郭のふらふらした返事をした

生まれたままの姿にサングラスだけという、日焼けマシンの中のお姉さんよりも目玉を引ん剝くものが、がらんとして輝く部屋のドアを開けてノックに応じたものだから。その真っ赤な瞳がいまだ大切な夢を見ているようだったから