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ひだりがわ
2024-09-22 13:43:14
1281文字
Public
タケ道
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みちるが女装するタケ道 進捗その1
超冒頭の進捗
『奇跡の一枚! 315プロダクション・アイドル大変身』
そう題された動画が投稿されて3日、再生数とSNSでの反響がすごいということは、ゲームに関すること以外であまりそれらを活用出来ていないタケルにもよく分かった。
「いやあ、ホントかわいいよなあこの道流!」
「師匠〜、そんなに何回も流さないでください」
流石に恥ずかしいッスよ、と笑う道流の前でプロデューサーが動画のシークバーを弄りながら揚々と語っている。
「だってすごいだろこの完璧な女装! 咲達の技術ももちろんだけど道流のポテンシャルも高いんだよなあ」
「いやいや、自分ゴツいッスから。3人の努力のおかげッスよ」
ワイワイと盛り上がる二人を横目に、公式アカウントで投稿された写真をタップする。
いつもより僅かに色白に見える健康的な肌色に、こちらもいつもより更に大きく見える丸い目とピンクみのあるベージュのリップが映え、ふわふわとしたセミロングのウィッグが男らしい輪郭を隠し、腰よりも少し高い位置でリボンのようなものが結ばれた裾の広いワンピースが彼の恵まれた体格を女性らしいシルエットに見せている。
所謂メイクやオシャレといったものに詳しくないタケルにはその程度しか分からないが、きっと細かい部分まで様々な技術が施されているのだろう。しかしプロデューサーの言う通り、道流だからこそ──
「道流だから似合ってるんだって! かわいいぞ道流! いつもの男らしい感じとは違う色気まで
……
」
「し、師匠〜それくらいで
……
はは、ありがとうございます
……
」
熱の高まったプロデューサーの言葉に道流が眉尻を下げて笑う。困っているようなその顔は彼が本当に照れている時のそれだ。
(
……
俺も、かわいいって言ったけどな)
動画が公式に上がる前、咲が送ってくれた写真を見てタケルはすぐに「写真見せてもらった、すごくかわいかったしきれいだった、さすが円城寺さんだ」ということを面と向かって道流に伝えた。しかし、
『本当か? いやあ自分でも驚いたんだが、咲達のおかげでなんとかそれなりの出来になって良かった!』
等と言って笑う道流は、全くいつも通りの楽しそうな顔だったのだ。
その時は何とも思わなかったその時の笑顔を思い出してなんとなく、納得がいかない。今プロデューサーの止まらない賞賛に緩められた顔と比べて。行き場のないものを逃すように、深く息を吐いて身を捩った。
タケルのその仕草が目に入ったらしい道流が時計を見てあっ、と声を出す。
「師匠、本当にそれくらいで勘弁して欲しいッス
……
! ほら、自分達そろそろ出ないとなんで!」
「ああそっか! じゃあ行ってらっしゃい、タケルも頑張って来てくれな!」
「
……
ああ、行ってくる」
「ほら漣も、起きろ起きろ〜」
「
……
ン、ァア? ったく、やっとかよ
……
」
寝起きの漣を連れて三人、連れ立って事務所を出る。まだ目を擦っている漣に次の仕事について道流があれこれと話をする。聞いているのかいないのか、欠伸をしている漣の反対側を歩きながら、タケルは道流の広い肩を見ていた。
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