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三毛田
2024-09-20 22:10:15
1078文字
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1000字
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56 06. じんわり嬉し涙
56日目 君といるとすぐ泣いてしまう
それが〝好き〟っていう感情だと知った。
だけど、何でそんなものを彼に? と疑って。
「離れたくないなぁ
……
」
「何の話だ」
「ん〜? 丹恒に膝枕してもらって、嬉しいから離れがたいってだけ」
「男の筋肉質な太腿のどこがいいんだ。穹?」
「あれ?」
不思議そうな声と表情。俺も、自分で驚いている。嬉しいと思うと同時に、視界が歪んだ。
「どこか痛むのか」
「ううん。嬉しくて泣いてるんだと思う」
「思うって。自分のことだろう」
呆れたような声。でも、馬鹿にするでもなく拒むわけでもなく。
清潔な布で俺の涙を、そっと拭う。
それから、頭を撫でてくれて。それがまた嬉しくて、涙が止まらなくなって。
「穹は泣き虫だな」
優しく微笑んで、次から次へと溢れてくる涙を拭ってくれて。
「丹恒って、優しいよね」
「そんなことない」
首を緩く振って、否定する。
何で否定するかな。泣いているのに放っておかず、あまつさえ涙を拭ってくれた。
「穹?」
俺が布を持つ手を上から握ると、またも不思議そうな表情を浮かべ。
「丹恒」
「なんだ」
「お前が好きだよ」
手の甲で涙をぬぐい、それから彼の手を取って告げる。
表情が強張る。嫌なのか、そうじゃないのかはわからない。
ただ、戸惑っているのはわかる。掴んだ手が、ちょっとだけ震えているから。
「丹恒、好き」
跳ね上がるように起きて、丹恒の手を掴んだまま顔を近づける。
「穹、その、それ、は
……
」
視線があちこちに動き、最終的にそっとそらされて。
「好き。気の迷いでもない。意識だって、しっかりしてる。それでも、お前は気の迷いとか言うつもり?」
「
……
それなら、俺が言うことはない」
今にも消え入りそうな声でそんなことを口にするだけ。
手を振り払うことはない。拒絶されてないのはありがたいが、ここまで反応が薄いとこっちも反応に困ってしまう。
「丹恒は俺のことどう思ってるの」
「どうなんだろうか。ただ、手のかかるやつだとは思っている」
「ですよね~」
自分の奇行は、それなりに把握している。だから、まあ、そう思われているのは納得しかない。
ちょっと恥ずかしくもあるが。
なんていう時期もありました。
「丹恒、いい?」
「俺がいいと言ったんだ。お前こそ、覚悟を決めろ」
「後は丹恒の中に入てもらうだけなんで」
「
……
さっさとしろ」
「はーい」
と、ようやく一つになったところで視界が歪む。
「あれ?」
「お前はまた泣いて」
「丹恒だって泣いてる」
「お前と繋がれたのが嬉しいんだろう。多分」
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