著者: 雷歌/らいと
2017-07-07 22:10:25
1586文字
Public バンやろ
 

【bnyr / 大京】7/2 VERTEX TOUR「大京はいいぞ」ペーパー

宗介と翼を同棲させているので、せっかくなら大和と京も同棲させてみようと思ったわけです。そして、診断メーカーにある「同棲している2人の日常」をお借りしました。

今日の大京:米かパンかで喧嘩になる
https://shindanmaker.com/719224

「きょーう、明日の朝ごはんって何がいいんだ?」
 翌日の朝食を作る当番になっている大和は、リビングで紅茶を飲みながら読書をしている京にそう声をかけた。
 京は、本から顔をあげて大和を見る。
(朝か……。そんなには食べないから食パン一枚でも良いのだが、この前、朝食はしっかり食べろと言われたばかりだしな……
 元から細い京は、周りから心配されることが多い。とはいえ、バンドのライブをこなすボーカルなため、体力がないわけではない。体重がないだけだ。
 しかし、大和に触れられるとよく言われるのが、京さんはもう少し肉付いてもいい気がする、であった。だからと言って、それ以上を望むわけでもないのだが。
 言われたことを気にして、肉付きのいい体にするにはと調べたが、やはりご飯をしっかり食べることであった。偏ってはいるが食に詳しい進に聞いても、まずはしっかり朝食を食べてみたらどうだ、というアドバイスであったのだ。
(だとしたら、やはり白米に汁物と焼き鮭か卵焼きか、といったところがいいのだろうか)
「京、食べたいものでいいんだぞ?」
 京が無言でいるのに痺れを切らしたわけではない。むしろ、何を悩んでるのか、大和にはわかっている。だからこそ、食べたいものを言って欲しいと思っているのだ。
「パンが食べたいなら、パンにしよう」
「いや、しかしやはり朝は白米の方がいい気が……
「意地にならなくていいって。パンじゃなくても、フレークとかでも」
「い、いや、白米で」
「京」
 キッチンから声をかけていた大和は、大股で京の横へと移動した。ぐ、と顔を近づけられて思わず京は少しだけ身を後ろへ引いた。
 大和の酷く真剣な顔に、京は戸惑う。怒らせてしまっただろうか、と少しだけ不安になった。
「俺が肉付いてた方が良いって言ったの、そんなに気にしてるのか?」
 まさかそこまで把握しているとは、と京は目を見開いた。大和は野生的な勘というべきなのか、何も言わなくても分かっていることがある。こうして面と向かってではなく、SNSツール上であっても。
「ま、まあ……
 恋人の言うことだ。嫌われたくないし、もっと好きになってもらうためには、と考えることもある。人の考えることを悟るのが苦手な京は、彼が口にしたことを実行するしかなかった。嘘は言わない大和だからこそだ。
「ごめんな、京。確かにあれは俺の本心だけど、だからと言って京さんに我慢だとか無理だとかして欲しくないんだ。それに、京さんはこのままでも十分抱き心地がいいし!」
 そう言って、大和は思い切り京に抱きついた。背中に手を回し、京の肩口に顔をうずめる。頬を撫でる大和の髪の毛に、京はくすぐったそうに身をよじった。
「うん、落ち着く」
……そうか」
「そう」
 そのままで良いという思いが伝わってきて、京も大和の背へと腕を回していた。暖かい体温が心地よくて、読みかけの本のことを忘れてそっと目を閉じる。
 すると、
「んっ」
 首の根元に感じる塗れた感触。咎めるように大和の名を呼べば、悪戯っ子のような表情をして京を見上げた。
「京の匂い嗅いでたら、勃った」
 臆面もなく言う大和に、京は苦笑する。ここで、ダメだといっても聞かないのだろう。気付けば言いくるめられていることが多い。そういうつもりはないのだろうが、大和の思うままの言葉を聞いていると、そういう気になってしまうのだ。
「構わないが……その、ベッドに移動してからでも良いか」
「もちろん! 京の好きなように!」
 幻覚には違いないのだが、千切れんばかりに振る犬の尻尾が見える。京はくつくつと笑って、愛しい恋人に啄ばむような口付けを落とした。
「大和は、可愛いな」
 ふうわりと浮かべられた笑みに、ベッドまで我慢ができなくなったのは言うまでもないだろう。



end.