著者: 雷歌/らいと
2015-04-30 21:39:36
1837文字
Public 戦セバシリーズ
 

【ワンドロライ/セバB】Bくん+休日

Bくんの幼馴染みというオリジナルキャラがでばってますのでご注意を。

休日とはいえ、デーデマン邸で住み込みなため、朝に騒動があると巻き込まれやすい。
そのため、本当にゆっくりしたい日は実家に帰るか、友人の家に泊まることにしている。

「悪いな、今回も世話になる」
「いいよー」

友人の一人、ロマン・エンゲルは小さい頃から親しい友人――いわゆる幼馴染だ。家族ぐるみの付き合いもあるため、ロマンの部屋ならとBの家族からの許しも得ている。

「久しぶりのオフだね。どれぐらいぶり?」
「半年……いや、それ以上か?」

慣れた手つきでロマンのクローゼットから部屋着を取り出し、それに着替える。
すでにBのお泊り道具がロマンの家にはそろっているのだ。
けしてそういう仲ではないことを、先に述べておく。

「そういえば、今日、セバスチャンに会ったんだけど」
……商売で?」
「いやいや、お気に入りのカフェで遅いランチをしていたらね、いきなり前に現れて」

ロマンは昨日のことを思い出しながら話す。

サンドイッチを口にしようとした瞬間、影が落ちた。なんだろうと顔をあげてみれば、無表情でセバスチャンが立っていた。
無表情で立たれたら、あの顔だ。圧迫感を感じざるおえない。
しかしロマンは、一応見知った顔なので、営業スマイルを浮かべた。

「どうも。何か、ご入用で?」
「明日、Bが泊まりに行くな?」
……ああ」

商売の話ではなくそっちか。
ロマンは営業スマイルから、普通の愛想笑いへと切り替える。

「それで?」
「今一度確認したいが。お前は、Bの、ただの、友人なんだな?」
「ええ、まあ。一番親しい上に、小さい頃から付き合いのある、幼馴染ですけどね」

そう言い返せば、セバスチャンの眉尻がぴくりと反応した。

「明日は楽しみだなー。久しぶりの、Bとのお出かけだからなー。どこ行こっかなー。あ、セバスチャンも行きます?」

もちろん、行けないことを知っての言葉だ。
セバスチャンの眉間に皺が増えていくのを、愉快な気持ちで眺める。

「ご安心ください。オフなBの写真は、後日お送りしますから」

そういえば、多少の皺は減ったようで。しばらく無言でいると、その場を立ち去った。



「やー、あの人、ホントからかいがいがあるよね!」

ロマンが楽しげに言うと、Bは深くため息をつく。

「大人気ない……

ふふ、と小さくロマンが笑うと、ぶぶぶと彼の携帯が震えて着信を知らせた。
会社の携帯なのか、すぐに営業用の声音でその電話をとる。
しばらくやり取りをしたあと、失礼します、とその電話をきった。

「ごっめーん、B。明日、仕事入っちゃった」

てへ、と可愛く小首をかしげるロマンに、はあ?とBは呆れた声を出す。

「デーデマンさんからだったんだけどね、明日の分も書類片付けたから、商品を見たいって。そのために、セバスチャンもオフにして、外出させるからって」
「え……?」
「あ、じゃあ、ちょうどいいね。Bはセバスチャンとオフを楽しみなよ」
「ま、待て。お前、まさか」
「なーに?」

小首をかしげたまま微笑むロマン。
Bは呆れたように笑って、なんでもない、と頭を振った。

「まったく。ドタキャンなんて酷い幼馴染だな」
「埋め合わせは何がいい?」
「お前が海外に飛んだときに、美味しそうなアイスでも送ってくれ」
「それ、アイスの値段より送料がかかるやつ」
「俺のオフはそれぐらい価値があると思え」
「高い!」

くだらない会話のやり取りをしながら、その夜は更けていった。
翌日、ロマンとともにデーデマン邸を訪れ、やや納得のいかない表情のセバスチャンと朝の挨拶を交わす。
納得がいってないとはいえ、格好はオフのものだ。

「よからぬことが起きそうな気がしてな」
「まあ、その予想はあたっていると思います」

ロマンはセバスチャンの目を避けて、裏口から入っていったが、それが何を意味しているのかは察しがつく。
爆薬等の取り扱いをしていることを知られているため、デーデマンと会う姿を目撃されてはまずいのだ。

「どうします、オフはやめますか」

Bが、控えめな笑みでそう問えば、セバスチャンはちらりとBを見やって、首を横に振った。

「せっかくだ。うちのことは気にせず、楽しむか」

その返事で、嬉しそうに微笑むB。
セバスチャンも、ようやく表情を緩めた。

「じゃ、行きましょうか」

そうして、二人は久しぶりのオフを楽しむのであった。

end