三毛田
2024-09-18 21:10:19
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54 04. 赤く染まる頬

54日目 君も俺も真っ赤だ


「丹恒、いくよっ」
 緊張がこちらにも伝わってくる声で宣言し、顔を近づけてくる。
「あ、ああ」
 作法だとアーカイブにあったので目をつぶっていると、ふにゅっと柔らかなものが唇に触れ。そしてすぐに離れていく。
「うう〜……
 穹は俺の肩をつかんでいた手を離し、その場にしゃがみ込む。
 顔だけでなく、耳も真っ赤だ。
「何で丹恒は平気なの」
「体温が低いからだろうか」
「こういうときまで、冷徹な蒼龍を出さなくてもいいじゃんか〜」
 ぴえん。と呟き、俺の膝を両手で抱え込む。
「こ、こら。穹っ」
 少し力が抜けて転びそうになったものの、片方の手が腰を支えてくれたおかげでなんとか転ぶのを免れた。
 いや。転びそうになったのは、穹のせいなのだが。
「丹恒ばっかり冷静でズルい~」
「別にズルくはないな」
「むぎゅう」
 膝の間に顔を入れてきたので、そのまま挟むとそんな声。
「ふっ」
 それが面白く感じて、思わず声が漏れる。
「むぎゅう。ふぎゅっ。丹恒、楽しんでるでしょ」
「そうだな。思っているより楽しい」
 膝を開いて閉じてを数回繰り返すと、挟まれるたびに聞いたことのない悲鳴を上げるので、それを聞きたくてやっていると不満そうな顔で見上げてきて。
「丹恒、今笑ったよね」
 黄金色の瞳を丸くして、俺の太ももに縋り付くように手を回し。
「笑っていたのか?」
「うん。楽しそうに、笑みを浮かべてた。でも、俺の変な悲鳴でっていうのが気に食わないなぁ」
 今度は、少し体を上げて太腿の間に顔を入れてきて。
「穹、そこはやめろ」
「え~」
「こら、そこで喋るな」
 穹が喋ると、太ももに息がかかってくすぐったい。
 思わず、上から押さえつけるように彼の頭を掴んでしまう。
「丹恒」
「な、なんだ」
「顔見たい」
「今はやめろ」
 顔に熱が集まっているのがわかる。
 キスしたときはそうでもなかったのに、太腿に触れられるのは恥ずかしい。
「ん!?」
「あっ」
 動いた拍子に、穹の顔が股間に触れて。思わず変な声が出てしまう。
 太腿の間から顔を離し、恐る恐る俺を見上げてきて。
 何かを求めるかのような、だけど、明らかに欲のこもった瞳。
 初めて見る表情にどうしてか下腹部がきゅんとなる。
 頬は赤いのに、こちらを見つめる視線には確かな意思が宿っていて。
「絶対、抱いてやる」
「そ、そうか」
「その前に、この下半身を暴いてやるから」
「ひゃっ」
 尻を撫でられ、思わず悲鳴が口から零れ落ち。
「じゃあ、また」
 一瞬触れるだけのキスをして、廊下へと飛び出して。