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溶けかけ。
2024-09-18 15:22:46
879文字
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ほぼ日刊
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うとうと、すやすや
雨の日に朝寝坊するヌヴィレットとフリーナのお話。
事後匂わせありますが、軽度です。
あ、雨だ
……
ぼんやりとフリーナは窓の外を見た。薄明るくなり始めたばかりの灰色の空はポロポロと涙を流し、やがて滂沱の如き雨へと変わる。屋根を叩きつける雨の音は微睡んでいた彼女を再び眠りへと誘うには十分な子守唄であった。
「水龍、水龍、泣かないで」
硝子一枚隔てた向こう側からおまじないを唱える声が聞こえた。フリーナはとろとろと目を閉じる。
大丈夫、龍は泣いていないよ、と心の中で声をかけながら、目の前の愛しい存在の胸に頭を擦りつける。
「んぅ
……
フリーナ
……
?」
「すまない
……
起こしてしまったかい?」
「いや
……
問題は
……
ない
……
」
ヌヴィレットが目蓋を閉じながらフリーナを抱き寄せた。気の抜けたふわふわとした声は彼がまだ夢と現の堺にいることを示していた。
「眠りたまえ
……
昨夜は無理をさせた
……
」
見た目よりしっかりした胸に頭を押し付けられて鼓動が高鳴る。昨夜
――
僕も彼も久々に纏まった休みが取れた日の前日だった。この数日間、互いに激務で禄に寝ていなかったせいもあったし、会えた喜びで頭の螺子が幾つか飛んでいたのも事実だ。
彼が来るなり獣のように求め合い、ベッドへと直行して気がついたら空が白んでいた。流石に少し慎みが足りなかったと反省している。いや、大分
……
やっぱり、ちょっと
……
「ヌヴィレット
……
?」
不意に苦しく感じるほど強く抱きしめられて彼を見上げる。ヌヴィレットの固く閉じられた目蓋は彼が既に夢の中に旅立っていることを教えてくれた。
「ふふっ
……
おやすみ、ヌヴィレット」
就寝前の挨拶を口にして、彼の額にキスを送る。ふわぁ、と欠伸を一つ。
雨が好きな彼には悪いけど、お出かけをするならやっぱり晴れの方がいいな、と思いながらフリーナは眠りにつく。
雨が止んだら、どこへ行こうか?キミと一緒なら何処へ行ったってきっと楽しい。
でも、たまには彼と雨を浴びてみてもいいかもしれないね。
ねえ、ヌヴィレット。
目が覚めてキミがいることがこんなにも幸せだなんて、知らなかったよ。
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