らん
2018-06-10 14:29:01
994文字
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CRのカノジョたち。

ディアヴォ

某日、クライマックスレコード本社会議室。簡素な作りではあるものの、長机と回転式のチェアが用意されたその一室には七人の女性が鎮座していた。
七人中六人はさも「またか」といった表情を浮かべているが、ただ一人、いまいち状況を掴みきれていない一人がポツリと話し出す。
「えーと、……これはなんの集まりなんでしょう?」
「やだなー、決まってるじゃないですか……ヴォーカリスト強化合宿被害者の会ですよ」
苦笑と共に紙コップにコーラを注ぎながら、彼はモロッコでもコーラを飲めているのかとエーダッシュの彼女は思案する。そんな隣の彼女を他所に、赤を基調としたワンピースに身を包んだユゥの彼女は首を傾げ、第一声を発した彼女へと問いかけた。
「というか、シエルさんと一緒に渡米してましたよね?なんで今日は日本に……?」
「日本はゴールデンウィークだからって一度私だけ帰ってきたの。フレマは今週ずっとスタジオ詰めだから、久々に実家に顔を出しに来たんですけど……
「連れてこられたんですね……
全員が顔を見合わせ曖昧に笑う中、シエルの彼女は見知らぬ顔と対面する。おそらくシエルと入れ替わりで帰国してきたというヨシュアの彼女なのだろう。柔らかな雰囲気を携えている彼女と目が合い、二人は人知れず微笑んだ。
「あ、そうだ。今回もどうせ合宿連れてかれるんだろうなって分かってたので、お菓子作ってきたんです。よければどうぞ」
日頃から洋菓子を作る癖がついてきたレオードの彼女は、前日に焼いたのだというパウンドケーキを持参していた紙袋から取り出す。プレーンとチョコレートの二種類を備付けで置いてあった紙皿に盛っていけば、同じくクッキーを焼いてきたとモモチの彼女も同じようにテーブルに置き始めた。
今日も控えめで、長袖のカーディガンにロング丈のスカートを合わせている彼女の姿を暑くないのかと若干心配しつつ、ジュダの彼女は髪を軽くまとめると飲み物の準備を整える。
「七人揃うの、はじめてですよね。今日は色々話しましょ!私、アメリカでのお話聞きたいです!」
「私も気になります。ヨシュアは行ってたけど、私は行ってないから……
「ええ……そんな大したお話は出来ないですよ?」
「彼について異国に行くってだけですごいですよ!」
モロッコで生死を彷徨っている彼氏のことは一時忘れ、彼女達は彼女だけで日々の幸せを享受していた。