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らん
2018-01-21 02:56:09
1093文字
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エーダッシュとカノジョ。
ディアヴォ
※死ネタ
ハニィが死んだ。溺死だった。
井の頭公園の溜池に浮いているものがある、人に見える。そんな通報から始まったらしい。それはうら若き女性の遺体で、検死なんかしなくても紐による摺り痕や殴打痕、刺し痕が無いことから自殺と断定された。
身元判明後呼び出されたのはハニィの両親がまず先で、オレはといえばライブを終えた直後、 血相を変えたマネージャーが飛び込んできたものだから着替えもせずに遺体を確認しにいった。
「溺死による自殺です」
淡々と告げられた事実を理解しようとして、出来なかった。これは本当にハニィだろうか。オレが死にたいと泣いたら「死ぬなんて言わないで」とあんなにも力強くオレの頬を叩いた、あの、ハニィだろうか。
「
……
っ、は、
……
ッ」
ハニィ。ライブ後の疲れ切った喉が最後の力を振り絞って声を出そうと藻掻くのに、漏れるのは嗚咽ばかりだった。どうして、なあ、ハニィ。置いてかないでよ。オレ、これからどうやって生きていけばいいんだよ、なあ。
なあ、オレも死にたいよ、ハニィ。
オマエが死ぬなら、どうしてオレに「死なないで」と、「生きて」と呪いをかけたの?
さよならを言えない僕に与えられたみっつの選択、またはふたつの抜け道
それはどういう配慮だったのかオレに知る由もないけれど、ハニィの両親と溺死体の前で顔を合わせることはなかった。オレには両親と言えるような人が居ないし、ハニィも親の話は避けていたように見えたからてっきり同じ境遇か、もしくは隠していたい「隠し事」なのだとばかり思っていたのだが、そうでもなかったらしい。
葬儀ではじめて見たハニィの両親はとても優しそうで、オレはこの日のためにと真っ黒に染めた髪を後ろでひとつに縛ったままハニィの両親に頭を下げる。
「娘さんの、恋人、です」
恋人でした。とは言いたくなかった。過去にしたくなかった。上げる頭なんてどこにもなくて、オレは許されるまで頭を下げ続ける覚悟だった。
「ありがとう」
その言葉に許されたくなかったんだと思い知る。オレは、認められないままでも良かった。ハニィが生きていてくれるなら。ただそれだけで良かった。それだけで良かったのに、ハニィはまるで死にたがりのオレの身代わりのように死んでしまった。人間が一番苦しいと言われる溺死をしたのだ。首吊りですらなかった。オレに取り込むことさえ許してくれなかった。一酸化炭素中毒による練炭自殺でもなければ、刺し傷による失血死やショック死でもなかった。飛び降り自殺ですらなかった。何も言わず、ただ、オレに見つからないように死んでいた。
続くかも。分からん。
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