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らん
2017-06-01 22:10:43
896文字
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エーダッシュとカノジョ
「ハーニィっ!」
後ろから抱きつかれた感覚は普段と何かが違って、その違和感の正体が髪の毛だということに思い至るまでに約10秒ほどかかった。
「エー、なんかつけ、て、
……
るね
……
?」
「エー子ちゃんでェす!このウィッグ?バンス?すげくね?クリップでそのまま付けてんの!」
振り返った先に見えるエーの髪はツインテールになっていた。どうやら単純に地毛の色に合わせたバンスを両耳の上にクリップで固定したらしく、なるほど確かに襟足はそのまま残っている。そんなに雑な女装でどこに行っていたのかと問えば、ルミエのステージ、と語尾にハートマークが飛ぶような軽やかさで言われた。
「オレを見つけたレオードの顔マージでありえんほどブサイクになってた!あのレオ様が!オレの女装で顔を変えた!ってあたりがサイッコーでした」
「あとで菓子折り持っていきなね
……
」
「えー?ぶっちゃけ顔はカンペキじゃね?体は置いといてサァ」
どぉ?と体をくねらせながらウインクをくれたエー子に思わず爆笑してしまう。確かに顔はそれなりに可愛いのだけれど、どう考えても首から下が男だからあまりにも可笑しい。
「そこまで笑わんくても」
「だ、だって
……
あまりにも顔と体のギャップが
……
」
「ひっどぉい、エー子傷ついたァ
……
なーんちゃって、」
笑い転げる口はエーの赤く塗られたリップに塞がれて、グロス同士が付着するぺちゃりとした音が聞こえた気がした。ビックリしたおかげで止まった笑いと、思わず固まってしまった私を見てエーは笑う。
「やっぱハニィのが赤いグロスは似合いますなァ」
「
……
エー子ちゃんもオレンジのグロスのラメ可愛いですよ?」
「え?ホント?いぇーい、でも」
やっぱこれいらねぇや。
手の甲で紅を全て拭い去ったと思えば、よれたメイクのままエーの顔が迫る。どうしようと咄嗟に掴んだバンスのクリップが外れて、それを見たエーがもう片方も外してしまった。濃くてキツいメイク。いつものNSFWの、エーダッシュ。
「ハニィのグロス、甘くて好き」
べろりと舐め取られたそれはハチミツ入りなんだと伝える暇もなく、オスの顔した彼の熱に浮かされた。
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