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らん
2017-03-28 15:23:01
1013文字
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レオードとカノジョ
「
……
結局、オマエも他の女と一緒だったんだ?」
ずっと私の前では現れなかった『王子様』の仮面が私の心臓を突き刺す。違う、そうじゃない。どう弁解するのが良いんだろう?一人で生きてきた私はこういう時どうしていたっけ。いつも「彼氏が居なくても一人で生きていけそう」と笑われていた私は、何を、
「レオだって、」
普段なら相手の不満点をあげていた。どうせそういうか弱い子が好きなんでしょう?一人でもいい女はどうだっていいんでしょう。そんな言葉たちがレオには言えなくて、喉はただ二酸化炭素を出しただけにとどまった。
この人は、私のことを一人で生きていけそうって笑ったことは無かったのに。
泣くことは弱いのだといつしか思っていた。男の前で泣くのはか弱い女のすることで、ズルいこと。だから私はいつだって傷さえ悟られないようにしていた。それはレオにだってそうで。
(ああ、なんだ)
全部自分が蒔いた種じゃないか。
「
……
、レオは、優しすぎるよ」
甘え方をよく知らない私が甘えやすいように、レオはいつだって最大限私に甘えてくれた。甘やかしてくれた。悪いことではないのだと泣くことさえ許してくれた。愛し方を、愛され方を教えてくれた。
それを、私が壊したのだ。踏みにじったのだ。彼が一番嫌がっていた『王子様』の仮面を無理矢理つけさせた。ルミエールのレオードを押し付けた。
恩を仇で返す女のなんと醜いことか。こうやって怒る資格なんてどこにもないのだ。
だって、私が悪いから。
「もう別れよう?レオに嫌な思いはさせたくないよ」
はじめて男の人と別れる時に泣いたかもしれない。ちゃんと愛していたのだ。私なりに。精一杯。こんな私でも良いのだと許してくれたレオに縋っていたのだ。全力で。何よりも、ずっと。
優しくて、甘えたがりで、それでいて無償の、特別な愛をくれた人。はじめて弱さを見せてくれた人。傷つけたのは私で、そのシャツに皺をつけたのも私。
もういいよ、もう嫌だよ、私はレオの笑顔が好きだから。
「ごめんね」
どしゃ降りの雨の中、傘を開くことも忘れてただ駆ける。レオに褒めてもらいたくて選んだ服、レオが笑ってくれるピンクのネイルとチーク、レオが優しく撫でてくれた髪、レオがまるで王子様みたいに履かせてくれた、靴。
ガラスの靴は脱げなかった。追いかけてもらう資格なんて剥奪されていたから。
最後に見たレオードの顔は、ハリボテの王子様の無表情だった。
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