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らん
2017-03-27 15:48:37
350文字
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モモチとカノジョ
カノジョから電話が来たのは、もしかしたらはじめてだったかもしれない。
「ももちくん、」
電話越しに震える声は随分と聞き取りづらくて、普段から怯えた声を聞き慣れているというのに今日だけは異常なほど冷えていた。怒ろうと思った声も呆れた声も返せなくて、ただ淡々と、冷静にどうしたの、そんな声をかけてやる。
「っ、あの、」
「なに、切るよ?」
「あ、ま、待って、おねがい、切らないで」
聞いたことのない声だといえば嘘になる。この声は一度だけ聞いたことがある。ああ、そうだ。いつだかベランダから落とそうとした時だ。本当に生死をさまよった時の、必死に生にしがみつこうとしていた時の、嘆き。
「へ、へんな」
「変な?なんだよ」
「変な人に、つけられてて」
その言葉を聞いた瞬間、煙草も持たずに走り出していた。
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