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らん
2017-01-20 15:29:15
2272文字
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ユゥとカノジョ
お年玉企画。
!ユゥカノ同い年設定。
おはようという相手が居ないことに気づいたのは、スマートフォンのアラームが甲斐甲斐しく、いや、けたたましくオレを起こす音と共に目覚めたせいだった。
昨日は抱きしめて眠った気がするのだけれど、いつのまにやら抜け出す術を学んだアイツはこうして勝手に居なくなるのだ。まったく彼氏の思いなんて考慮してくれないらしい。朝起きたらたまには寝顔とか見たいし、おはようって言いたいし、そのままダラダラしたいのに。
(
……
ま、アイツには無理か)
はつらつとしていて、朝も結構お得意なのがウチの奥さんになる人なので、こればっかりはどうしようもないのかもしれない。夜にも酒にもオレにも弱いくせに、なんで朝は強いんだろう?
隣に居ないのならひとりでだらけてもつまらないので、仕方なしにアラームを切って起き上がる。昨日投げ捨てたスウェットの上はどこへやら消えていて、代わりにカノジョのパジャマは上下とも畳んで枕元に置いてあった。
「
……
寒いんですケド」
冬が溶けてきたとはいえ、まだまだ朝は冷え込む時期だ。カノジョのパジャマは多分着ようと思えば着れるけど、確実に破れるだろうしそもそも着たくないので無視をする。寒いのにバッカじゃないの。オレに風邪引かせたいのかアイツは。ヴォーカルが身体冷やして喉に支障出たらどうしてくれるっていうの。
ーーなんて、昨夜まっさきに脱ぎ捨てたのはオレなのでそこまで言えないけれど。
着られたくなかったら着てから寝ろという単純な話だということも理解している。でも暑い時に着るのはダルいんだ。
仕方なしに上裸で寝室を抜ければ、ちょうど洗面所から出てきたカノジョと鉢合わせをした。やっぱりオレのスウェットを丈の短いワンピースみたいに着ている。
まさか起きてくるとは思っていなかったのか、随分な間抜けヅラを見てしまった。いやその顔アウトでしょ。口は閉じなさい。
「もう起きたの?!」
「オマエが居ないから起きた」
「えっ、ご、ごめん」
「寒いからスウェット返して」
「え?!」
無理だよ!と両腕で身を守るカノジョの態度なんかお構いなしに、スウェットの裾を引っ張ってやる。そこから伸びた太もものラインに冷えたてのひらでワザとらしく触れてやれば、色気のいの字もない声が響いた。
「つめたい!ユゥの手つめたい!」
「誰かさんのせいデス」
「着替えるまで少し待ってください!」
「はぁ?なんでオレのものなのに待たなきゃなんないの?」
「わ、私このした下着だけ!」
「オレなんか上裸だけど?!」
あーでもないこーでもないと言いながらリビングまで攻防を繰り広げて、結局負けたのはカノジョだった。先に付けておいたらしい暖房の効いたリビングで捕まえて、あらゆる手段を使ってバンザイをさせてやる。恥ずかしいだのなんだの煩いけど知ったこっちゃない。
オマエの今つけてる下着の色がクリームイエローだってことも知ってるんで全然恥ずかしくないでしょ。昨日見たものはさすがに忘れないしね、なんて笑えば、ユゥの意地悪、なんて声が返ってくる。なんとでもドーゾ。
「はーい、バンザイできて良い子ですねー」
「自分で脱げるよ!」
「嫌がらせに決まってんじゃん。ていうかオマエ袖から手出てない」
「ユゥのが大っきいんだもん」
じゃあ着るなよ。って言いたいところだけど、なんだかんだでいい眺めだったのも事実なので押し黙る。起きてすぐに寝癖だけは直したのか、やけに整っているカノジョの髪をひとつに後ろへ流してから首元も脱がせてやった。
上下揃ったクリームイエローのランジェリーをなぞって、肌が白いからこそ目立つせいか、腹に残る赤い鬱血痕がなんだか色っぽくて。そこを指先で撫でてやれば今度こそ色気のある声が飛び出た。
「ユゥ!」
「触っただけじゃん」
言葉通り触れただけなんだから、オレが悪いわけじゃあないでしょ?
取り返したスウェットの代わりに椅子にかけていた部屋着用のロングパーカーを着せてやる。イタズラにしては度が過ぎてしまうし、さすがに朝からは可哀想なのでちょっとお預けかな。
ファスナーを全部閉めてから解放してやれば、子供扱いしないで、なんて返ってきたから笑ってしまった。一体いつ誰が子供扱いなんてしたんだろう?
髪をフードから出してやるついでに、耳朶のすぐ下から鎖骨までを撫でてかぶり付くフリをする。とっさに身を固くするのがなんだかいとしくて、噛みつかずにキスだけを落とした。
「オマエ以外にこんなことしないし。
……
ていうか、年齢変わんないデショ」
顔を真っ赤にさせたまま唸っているカノジョの頬を撫でて、唇にもキスを落とす直前で引き下がる。期待した?そんな言葉と共に軽くデコピンをしてやれば、やっぱり意地悪だなんて言われるのだ。どう考えても無意識で意地悪なのはそっちだからね。これくらいは許されるでしょ。
暖房が効いているとはいえ、上半身裸じゃあ肌寒い。スウェットを着れば想像通りいまだに照れているカノジョの体温が残っていて、ああ、もう。
こうやって乱されるのはオレが困るから、やっぱりもうすこし朝に弱くなってほしい。
「あ、そういえば、」
「ん?」
ふと思い出したようにカノジョからこぼれたそれは、今日のはじまりの言葉。
「おはよう、ユゥ」
「
……
おはよ」
とりあえず下も履いてきなさい。もれたオレの呆れ声に、目の前のコイツはユゥのせいなのに、なんてむくれるんだ。いやいや、オレの着なければよかったんだって。
絶対言わないけどね。
END
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