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らん
2016-11-25 17:08:35
621文字
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モモチと彼女
ディアヴォ
しるしが欲しいとか、そういう生半可なものじゃない。
俺のせいで泣いてほしい。俺のおかげで笑ってほしい。俺のためだけにその命を燃やしてほしい。そうして、俺を想いながら死んでよ。
(なんて言ったらコイツはどんな反応するんだろ)
ついさっきまで首を絞められた男の腕の中で深い眠りについているコイツの顔はどんなものより愛しくて、涙の跡をべろりと舐める。少ししょっぱい。
こうして眠れるということは、それだけ身を委ねられているということだ。それがこんなにも嬉しい。ああ、俺があんたでいっぱいになってどうすんだろ。
「
……
浮気、したら、殺すから」
他の匂いなんて許さない。俺の知らない銘柄の煙の匂いなんて纏わないで。俺の知らない香水も嫌だ。俺の知らない人の前で笑わないで。もう、俺の前でだけ生きて。この箱庭で生きてよ。あんたが死んだら、俺も死ぬから。
浮気される前にいっそ今このまま殺してしまえばいいのかもしれない。でも、出来ないんだ。
(あったかい)
この温もりが、どうしようもないほど好きだ。柔らかい感触がいとしい。だから、まだダメ。
(ダメだよ、まだ)
この子はまだ、殺せない。どうせなら一生殺す機会が来なければいいんだけどなあ。
そんなことを落ちていく意識の中で考えながら、まどろんだ目蓋を閉じる。確かに腕の中に収まる熱が、今日も俺を眠らせてくれるのだ。おやすみ、また明日。一番に俺にあんたの瞳の世界を見せてね。
じゃないと殺しちゃうから
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