らん
2016-11-04 21:40:09
461文字
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千哉仁菜


「千哉くんて、意外に手がゴツゴツしてるよね」
後ろから抱きかかえられるように、千哉くんの身体にすっぽりと収まって、ふと彼の手を見つめて私はそうこぼす。
私は明日の授業の予習、千哉くんはスコアの振り返り、それぞれ別のことをしていたのだけれど、千哉くんは律儀にスコアをテーブルに置いて、私と話す姿勢をつくってくれた。
「そうでしょうか?元々はピアノをやっていたせいか、指は結構開きますけど……ゴツゴツしてる、なんてはじめて言われました」
「男の子らしい手だなーって。あと、豆とか出来てるし……爪、深爪気味なのは指弾きだから?」
「弦が切れて当たると、爪が長いと割れたりするんです。ネイルはしたいと思わないので、ちょっと深めに切ってます」
「そうなんだ……
……僕の手、嫌ですか?あなたに触る時、たまに心配になります。女の人は綺麗な手が好きだろうから」
「千哉くんの手はとっても綺麗だと思うよ。指がすらっと長くて、おっきくて、大好き。遠目に見ると華奢で女の人みたいって思うんだけど、近くで見るとこんなに私と違うもの」