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らん
2016-09-17 22:01:18
1213文字
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明星スバルとあんず
どうやって星が輝くか、君は知っていただろうか。
星は自らが爆発した光で煌めいている。それは恒星と言われるもので、太陽の仲間なのだと、あいも変わらず仏頂面で言っていた北斗のことを君はまだ覚えているだろうか。
それじゃあ僕達は自分の爆発の光で輝いているんだね、と綺麗な翡翠を眼鏡なんかじゃ抑えられないくらいキラキラさせていた真を思い出せるだろうか。
一人じゃ寂しいけど、お前らと輝けるならいいかな、なんて、笑うとすごく童顔になる真緒だって居たよね。何にも変え難い仲間だと笑いあった日々を、あの時の気持ちを、君はまだ理解できるかな?
「あん、ず」
街中で君を見つけたとき、昔はあんなに大声で呼べた君の名前をどうしても呼べなかった。何度だって叫んだ君の名前が掠れてしまった。
あんず、あんず、あんず。俺達と同じ星。自らの爆発の光で輝いていたのはあんずだって同じだった。
それでも、あんずは将来の進路に星を選ばなかった。星を眺める人間に戻ることを選んだのだ。
俺は何度だって名前を呼んで、何度だって説得して、そのうえで、あんずは普通の女の子に戻った。それがあんずの決意で、けじめだった。
そうして卒業してから会うことはなくなり、ただの一般人としての彼女を今ここで見つけたのは、本当に単なる偶然だ。
きっと神様の導きとか、そういうのではないだろう。だとしたら、きっと彼女の横に俺の知らない男なんて居なかったはずなんだ。
ああ、悔しいなあ。君は俺達trickstarを、星を、その男と見るのか。
あんずが首から下げていたストラップの、その隣を歩く男がパーカーの下に着ていたTシャツの正体を俺はなんであるか知っている。
それは、今日の夜から始まる俺達trickstarのツアーのライブグッズだ。先行販売は予約だけだったし、手に入れるのは結構難しかったはず。
ああ、仕舞い込んでたはずなのになあ。まだ君が、俺達を見ていてくれていることがこんなに嬉しい。
俺達を見る幸せを共有出来る最愛を、君は見つけたんだね。だってあんずはいつも「俺達が幸せの証明」だって、皆の頭を撫でてくれたもの。まるで母親みたいな、優しい手つきで。
「あんず、見ててね」
ごめんね、悔しいなんて言って。でも誰だって大切な女の子が取られたら悔しいんだよ。そんなこと言ったら君ははにかむんだろうな。あの柔らかい笑顔が大好きだった。今でも大好きだよ。たとえ隣に居るのが俺達じゃないとしても。
変装用のキャップをしっかり被り直して、俺は全力でホールまでひた走る。足取りはいつも以上に軽かった。
ねえ、君は全部覚えてるんだろう。俺達と同じように、鮮明に思い出せるんだろう。
そう確信してるから、今日も最高のステージを見せてあげる。
星座を描くようなステージを、今日も君に、皆に、君の隣を歩く人にあげよう。
なんたって俺は一番星、明星スバル。君が一番最初に認めたアイドルだから。
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