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らん
2015-10-02 17:39:59
1591文字
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いずあん
※付き合ってる設定。inスタジオ
「
……
瀬名先輩って、紅茶は飲むんですか
……
」
「は?何?飲んじゃ悪いワケぇ?」
コーヒーよりも紅茶の方がカフェイン多いからこれでいいの。
そう言いながらインスタントの紅茶を飲む彼は少し眠そうな顔をしている。どうやらまたもや嵐おねえちゃんに付き合わされ、昨日グラビアの仕事が入った所に、今日は月永先輩の取ってきたデュエル。相当疲れとストレスが溜まっているようで、肌の調子も悪いし眠い!とぶつくさ小言を言っていた。
それはともかく、水以外を口にする先輩を見るのは正直はじめてで、なんだか不思議な気分だ。先輩はいつも私には水しか頼まないし、一度なんとなくでおしるこを渡してこっぴどく叱られたことがあるので、尚更。確かにおしるこは悪かったけど。ちょっと腹いせだったけど。
「砂糖は?」
「要らない」
「ですよね
…
」
自分の紅茶に砂糖を混ぜつつ、温かい紅茶に口をつける。さすがKnightsというか、ティーバッグだけど香りが良い。資金が潤沢な所はこういう所も金をかけるのか
……
と思ったけど、多分これは司くんが用意したものなんだろう。庶民はこんなに高いティーバッグを買いません。
「よくもまあ甘いの飲めるねえ」
「先輩、イライラするなら甘いもの取ったほうが良いと思いますよ?」
「イライラしてない」
「してるじゃないですか
……
あ、クッキーありますよ。作ってきたやつなので、ちゃんと甘さも控えめです」
司くんがよく欲しがるので今日も作ってきたお菓子を取り出すと、断られるかと思えば綺麗な先輩の手が伸びてきた。口に運ばれたクッキーは軽い音を立ててサクサクと先輩の中に消化されていく。
美味しいですか?そう問う前に、彼は一言。
「ん、美味しい」
「えっ」
「なに、なんでそんな驚くわけ
……
」
「だって、先輩が、お、美味しいって
……
」
「ねえ、ほんとに俺のことなんだと思ってんの?美味しいものはちゃんと美味しいって言うからね?なんなの?チョ〜うざぁい」
「あ、有難うございます
……
」
「なんか前に俺が作ったお菓子と味似てない?」
あ、気づかれた。
目を逸らすようにそっぽを向いても、絶対先輩が口角を上げてるのが分かる。ああもうそうです貴方の味を真似しましたすみません
「ふ〜ん?」
「やだなぁ
……
先輩の自意識過剰なんじゃないですか?」
「まあ、そう思っといてあげるよ」
あっさりと済んだ追求に安心して、テーブルに置いていた紅茶に再度口をつける。あれ、なんか、苦い。
「うぇ、やっぱ砂糖入れてると甘ー
……
」
あれ、待って、先輩の飲んでる紅茶って、あれ、
「先輩、それ、私の、?!」
言い切る前に飲み干されて、私の紅茶すら先輩の中だ。ていうか間接キスとか色々言いたいことはある。追求があっさりだったのはこれがあったからか。
「よし、じゃあアイツ等のところ行ってくる。あんたは?」
「始まる頃までにはいきます。次のレッスン考えてから向かいますね」
「じゃあスタジオの鍵置いとく。よろしく」
向かいの席に腰を下ろしていた先輩は立ち上がると、ユニット衣装のジャケットを羽織る。相変わらず、衣装を纏うと顔が途端に凛々しく好戦的に見えるのはなんでなのか。私の目が補正されてしまっているのだろうか?
「あ、そうだ。忘れ物」
「え、なんですか?マイクは会場に届けてありますし、」
視界がふと暗がりになって、何だろうと目線を上げたほんの一瞬の出来事。触れた唇が何故か甘く感じて、多分それは私の紅茶のせいで。ああ、敵わないなあ
「ご馳走様でした」
「
……
お粗末様です」
不敵に笑って、皆の元へ向かう先輩に言えた精一杯の言葉はそれだけ。
一人になったKnightsの居城で、今一度飲む瀬名先輩のノンシュガーのストレートティーは、今与えられた甘さのせいで余計に苦かった。
END
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