らん
2015-08-27 21:47:29
2205文字
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いずあん〜


恋人設定。やっぱりよく喋るあんず。嫉妬すんのかよ瀬名泉〜昼食どこに置いたんだよ瀬名泉〜〜………今度加筆します……


「き、きゃあぁあ?!」
響いた声は確実に女子のものだった。このアイドル科に居る女子なんて、プロデューサーであるあんずしかいない。こんなお昼時に何を騒いでるんだか。なんて、久々に涼しい水場で昼食を取ろうと噴水に向かっていた俺はひとつ溜息をついた。
ここまで聞こえてくるということは、アイツが近くにいるか、もしくは相当大きい声だったのか、だ。いつも驚かされることばかりです、と笑っていたあんずの顔が浮かんで、いくらなんでも驚きすぎだろう、と今度は笑いがこぼれた。
……忘れてた、」
思えば、噴水には三奇人が一人である深海奏汰が居る可能性があるのだった。相手にしなければ一人でぷかぷかしているだけなので特に害はない。まあいいか、とそのまま歩みをやめずに噴水に向かう。と、向かっているうちに噴水の中に人影が2つ。……2つ?
1つは深海奏汰だろう。もうひとつは?もしかして?なんて、考えなくたってこれはもう十中八九そうだろう。
「あのクソバカ……っ!」
一歩はすぐに大きくなり、気づけば駆け出していた。

「ちょ、っと、奏汰先輩!」
「ふふ、ぷかぷか、楽しいです……♪」
「一応ですね、私、女子なんですが!」
……?あんずはあんず、ぷかぷかはぷかぷか、ですよ?ねえ、いずみ?」
「えっ」
「そうだねぇ、あんずはあんずだけどねぇ、」
深海奏汰、これはちょっと許されない事態なんですけど。
どうやら先ほどのあんずの叫びは噴水に引き入れられた際のものだったようだ。全身びしょ濡れになったあんずは少し涙目だった。幸いなことにピンクのサマーベストを着ていることで下着は透けてないけれど、いささか問題ある。本当にサイアクだ。
「あ、あの、瀬名せんぱ、」
「深海、あんず借りるよぉ。……次またこうなったら、いくら三奇人でも容赦しないから」
「いずみも、ぷかぷかすれば問題ないです……♪」
「問題大アリだからねぇ?!アホなの?!ぶち倒すよ?!」
「むぅ……いずみは、心をぷかぷか、させなきゃですね♪」
「チョ〜うざぁい!一人で浮いてろっつーの!」
噴水の中でへたり込んでいるあんずを引き上げ、そのまま手首を掴んで、校舎に向かう。昼食のことなんて頭から吹き飛んで、深海奏汰のことさえもう既にどうでもよくなっていた。背後で一応深海に手を振るあんずが分かって、不機嫌さは限界突破寸前だ。なんなの、ほんと、苛々する。
パタパタと水滴を全身から垂らして、あんずが歩くたびにペタペタと音がする。昼時なことがあって食堂やクラス内に人が多いようだ。幸いというべきか、あまり人目に触れずにズカズカと廊下を歩く。
「あの……先輩?」
「なに」
「手首、痛いです」
「あっそ」
「あ、あの、さっきのはですね、ほんとに、奏汰先輩とは何もなくて、」
「なぁに?言い訳?」
「そうじゃなくて!奏汰先輩は友達だと思ってくれると水遊びに誘ってくれるんですよ!あの、だから」
「うるさいから黙ってて」
「は、はい……
苛々する。 何が苛々するって別に深海奏汰と一緒だったからじゃない。ただ、あんずの無防備さに苛々するのだ。
噴水に引き入れられる前にもうちょっと抵抗とか、せめて足だけにするとか、解決法はなんだってあるはずなのだ。それが出来ない無防備さがムカつく。そんな無防備なことを知っていて、理解した上でムカついている俺自身にも苛つくんだ。
臨時で作られた女子更衣室の前まで来て、ようやく手首を離す。俺の握った跡が赤赤と刻まれていて、痛々しい。知るかそんなの。
「有難うございます、」
「さっさと拭いて着替えてくればぁ」
「すぐ着替えてくるので、待っててください……
「分かったから早くしなよ。待たされるの嫌いなんだけどぉ?」
「はい!」
肯定と受け取ったのか、あんずは少し笑顔になると更衣室の扉を開けて、もう一度こっちを見やる。ほんとに、待っててくださいね?って、分かったからさっさとしてよ
――なんて、いうわけないでしょ。バカじゃないの?
そのままあんずを押しやって、ついでに俺も更衣室内に入る。後ろ手に扉を閉めて、鍵をかけた。目が点になっているあんずを見て、ちょっと気分がスッキリ。
「あのさぁ、いつも俺言ってるよね?無防備過ぎるってさ」
「あ、あの、せんぱ、」
「あんずの彼氏って誰だっけ?俺だよね?彼氏以外の前で無防備な姿されてて嬉しい奴なんか居ないと思わない?プロデュース中なら仕事だから許せるけど、さっきのは完全に仕事じゃないよねぇ?」
「えと、」
女子更衣室なんて使うのはあんずだけ。つまり、ここは今学校内で完璧な密室になっている。扉は俺が塞いだ。もう逃げられない。
あんずの髪から、シャツから、スカートから水が滴る。床にポタポタと水が流れる。そんな状態のあんずを追いつめるように距離を縮めていけば、あんずは水に滑って尻もちをついた。その上に覆いかぶさって、額を合わせる。絡んだ視線は絶対に逃さない。
「ねえあんず、もう一度聞くけど、あんたの彼氏って誰?」
……瀬名先輩で、す、」
「よく出来ました。俺が拭いてあげるねぇ」
多分、あんずから見れば悪魔みたいな笑顔をしていた自信がある。


続きはR18なのでまた今度。