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三毛田
2024-09-17 21:35:57
1068文字
Public
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53 03. 抱き合って確かめる
53日目 あなたに触れたい
「丹恒〜」
「どうした。急に抱きつくと危ないと言っているだろう」
穹の抱きついてきた勢いが強すぎて、危うくコンソールに顔をぶつけるところだった。
「動画観てたら、怖い広告流れてきて一人じゃ寝れないんだ。一緒に寝てよ」
「またか。ラウンジで過ごすのは嫌なのか」
「一人が嫌」
「この時間なら、パムだけじゃなく、姫子さんもヴェルトさんもいるだろう」
「
……
みんなには、心配かけさせたくない」
この列車に乗ったばかりの頃の穹は、〝寝る〟事が出来ていなかった。
だから、皆に心配かけてしまい、そのことを未だ引きずっているようで。
列車に乗ったばかりの頃の俺も、あまり人のことを言えたもんではないが、あそこまでひどくなかった。はず。
「わかった。ただ、ここはお前の部屋より狭いぞ」
「くっついて寝たいから、ちょうどいい」
肩甲骨の間に顔をグリグリと押し付けて、くぐもった声で返事をよこす。
「ん。もっと、そこ」
痛いというよりは、気持ちよくて。思わずそんな声が出てしまう。
「丹恒?」
「穹、さっきのところをもう一度頼む」
「しょうがないなぁ」
額だか頭だかはわからないが、さっきと同じ場所に硬いものが当たり。俺の言葉通りに先程のように、ぐりぐりと動かして。
「もういいぞ」
そう告げると離れていき、今度は腹に腕を回して肩に顎を乗せてくる。
「痛いんじゃないんだ」
「肩凝りからくる体の強張りだろうな。良いマッサージだ」
「こき使ったな?」
「一緒に寝てやるんだ。これくらいはしてもらわないと」
「うっ」
少し罪悪感でもあるのか、言葉を詰まらせ。
でも。
「俺も、お前と寝ると穏やかに眠ることができる。だから、おあいこだ」
「本当?」
「ああ」
編集画面を閉じ、穹の腕を叩く。でも、なかなか外れない。
「穹。お前の方を向きたい」
「今、変な顔だから駄目」
「お前の変な顔でも、俺は愛しく思う」
「
……
そういうの、ずるい」
ふと力が緩んだので、体を反転させて穹を抱きしめる。
ドクドクと、少し早めの鼓動が耳に届き。
それが、彼のものなのか己のものなのかはわからない。だけど、愛しいと感じることは出来る。
「穹、好きだ」
「
……
俺も、丹恒のこと好き」
抱きしめ合って、想いを告げ合って。一瞬ためらいがあったのは、どうしてだろうか。
ああ、でも。
この温もりと鼓動が、心地よくて。しばらくこのままでと。そんな気持ちに襲われる。
「丹恒? 今日は積極的だね」
「積極的な俺は嫌いか?」
「ううん。積極的でも大好き」
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