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ぶんどき
2024-09-16 09:40:03
705文字
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太陽と月の指輪
同じ空には昇れない。現行未通過❌
エンドA、その後の二人の話。
私たちは昼を失ったけれど、永久とも言える夜を手に入れた。
「ねぇ、光煌」
太陽の光が届かない深夜、やわらかな月の光だけが灯りだった。
「なぁに、香夜」
「あなたに贈り物があるの」
小さなワインレッドの箱を取り出し、光煌に渡す。彼は幾度か瞬きをした後に、その箱を受け取った。
「これって
……
開けていい?」
こくりと頷き了承すると彼はゆっくりと箱の蓋を開ける。中には一つの指輪が鎮座していた。シルバーの輝きを放つその指輪の中央には細やかな月の意匠が凝らされている。
「綺麗な指輪だ」
「
……
あのね、この指輪、私とお揃いなの。ペアリング、と言うそうよ」
「そうなの?」
もう一つ、ワインレッドの小箱を取り出す。蓋を開けて光煌に見せれば、そこにも指輪が一つ。似たような装飾だが、こちらは月の代わりに太陽があしらわれている。
「こっちは太陽?」
「あなたの昼の時間を貰ったから。代わりに夜をあげる。光煌が吸血鬼になったお祝い」
「
……
なんだか、プロポーズみたい」
光煌はケースから取り出した指輪をはめ、月の光に翳しながらぽつりと零す。
「
……
あながち間違いでもないわ。これから、ずっと一緒にいるんだもの」
指輪をはめて、光煌の手に重ねるように自分の手を伸ばす。肩が触れ合う。互いの顔が近づく。
二人の指にはお揃いの指輪が光っている。
──ある時は花に、鳥に、魚に。何度も生まれ変わって、何度も私の側にいてくれたあなた。
あなたはあの時のあなたではないけれど、私はずっと、その魂を追いかけていたの。
太陽と月。
昼と夜。
正反対の世界を生きていた二人、ようやく共に夜にとけた。
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