【能楽鑑賞】#153 銕仙会 定期公演

能「龍田」「恋重荷」 狂言「菊の花」

銕仙会 定期公演〈9月〉

観世能楽堂
2024年9月13日(金)18:00開演

能「龍田」移神楽
神巫/龍田姫神:清水寛二
     旅僧:御厨誠吾
     従僧:則久英志、渡部葵
     里人:深田博治

 笛:八反田智子
小鼓:林 吉兵衛
大鼓:大倉慶乃助
太鼓:林 雄一郎

狂言「菊の花」
太郎冠者:野村萬斎
   主:高野和憲
  後見:内藤 連

能「恋重荷」
山科荘司/
荘司ノ亡霊:片山九郎右衛門
   女御:北浪貴裕
   臣下:福王和幸
   下人:野村裕基
 
 笛:藤田貴寛
小鼓:観世新九郎
大鼓:原岡 一之
太鼓:三島元太郎

*・*・*

能「龍田」移神楽

先日観たばかりで、しまった!被った!😮
ご丁寧に小書きまで一緒!🤣

と思ったのですが、演者が変われば、やはり装束や小道具、作り物の柄などは変わる訳で、そうなると、また違った印象になるので、これはこれで楽しめました。

てか、同じ演目でも全く同じにはならないのだなァと、やはり一期一会の世界だなァと再確認。

先日観た龍田姫神は、頭の紅葉にはまだ青い部分が一部残ってたり、冠にキラキラした石の飾りがついてたりして、どこか若いお姫様のような印象だったのですが、今回はオーソドックスで、何となく年上でシックな印象でした。

袴と扇の色合いが似ており、青ベースで波模様があって、その中に紅葉が描かれてたのは、凍りついた川の中で眠る紅葉をイメージしてたのかなァ。今回もなかなか良いコーディネートだなと思いながら観てました。

てか、めっちゃ秋を感じさせてくれる演目だけど、舞台は冬なのよな、と今気付いた(笑)



狂言「菊の花」

太郎冠者が無断で旅に出たので、主人は怒って太郎冠者の家に行くが、太郎冠者が京内参り(京都見物)に行ったと言うと機嫌を直し、みやげ話をするように命じる。

太郎冠者が菊の花を頭にさして歩いていたところ、一人の上臈がそれに気づき、歌を詠みかける。太郎冠者が即興で返歌をすると上臈は感心し、太郎冠者を祇園に連れていく。

しかし、そこで饗されるどころか、ぞんざいな扱いを受けたので、腹いせに傍にあった緒太の金剛(草履)を盗んで外に出たところ、速攻バレて女中に両腕を締め上げられ、その話を聞いた主人からもまた怒られる、という話。

大蔵流では「茫々頭」という題名になっている。
殆どが太郎冠者の一人語りで、演者の話術が問われる演目。

*・*・*

初見の時は万作さんが太郎冠者、萬斎さんが主人の役で拝見したのですが、その時は万作さんが途中で台詞をど忘れしてしまい、萬斎さんがプロンプターの役割を果たそうとするのですが、万作さんの耳には萬斎さんの低い地声がなかなか届かないようで、繰り返す内に萬斎さんの圧が強くなるわ、怖いわで、ハラハラして、あまり内容が入ってきませんでした😂(結局、狂言ボイスで言ったら届いた。ほ😮‍💨)

その後、今度は他家で拝見する機会を得たのですが、正直、この話のどこが面白いのかピンときませんでした。その時は解説付きだったんですが、そこでも言われてた通りオチが分かり辛いといいますか、そもそも緒太の金剛が草履を指すのだと知らないと意味不明になります。

しかし今回、萬斎さんはハッキリと「緒太の金剛の草履」と発言していたので、解説が付けれない分、分かり易くしてくれた印象がありました。てか、身ぶりも表情も話術も、万作さんと比べると盛りに盛ってる印象があったので😂、他の狂言と同じ感覚で楽しむことが出来たし、何より見所が大ウケだったので、流石、推し!👍✨と思いました😁

とある狂言師さんが、この演目のことを「ちょっと動きの付けた、立体落語みたいな演目」だと言っていたのですが、今回の萬斎さんの「菊の花」を聴いて、まさにそれだ!と思いましたね。

てか、萬斎さんの太郎冠者って、とてもチャーミングで、出てきた瞬間から「コイツ絶対に何かやらかすぞ」感がマンサイだから😂、京見物をしてきた太郎冠者の天然かと思えば聡明な一面もあり、でも結局最後はやらかす😂という、一連の行動と凄くマッチしてて、推しの「菊の花」が観れて良かったと思ったし、また観たいなとも思いました🥰

やっぱり、狂言やってる時の萬斎さん、大好きだなァと再確認🥰



能「恋重荷」

菊守の老人、山科荘司が女御に対して秘かな恋心を抱いていると聞いた白河院の臣下は荘司を呼び出す。この荷を持ち、庭を百度千度廻るならば女御が姿を見せるというのだ。しかし荘司は重しの入ったその荷を遂に持ち上げることが出来ず、絶望のうちに女御を怨んで憤死してしまう。

やがて荘司の亡霊が現れると、身分違いの叶わぬ恋心を弄ばれた恨みを述べ、女御を責め立てる

恋心を荷に例えて老人の恋の妄執を強烈に描いた能。

*・*・*

初見の演目。狂言「文荷」の中でもパロディとして謡が取り上げられてる演目なので、ようやく拝見出来て嬉しいです。

内容は、まさに恋は人を狂わせる、といった感じで、竹取物語のように無理難題を出して諦めさせようとしたら、裏目に出ちゃった話。てか、現代でも老人が若い女性に一目惚れしてストーカーしちゃう事件とかたまにあるから、なんだかリアル。今も昔も、恋に年齢は関係ないということか。

唯一救いがあるのは、恨みが一転して、相手の幸せを願い、守護霊になると心変わりすること。
“恋”が“愛”に変わった、ということなのか、それとも
皮肉な事に死することで念願の女性の姿を再び拝見出来た訳だから、まぁ、いろいろと想うことがあったのかなァ🤔


九郎右衛門さん、仕舞とかツレではお見かけしてるんだけど、シテで観るのは一昨年の日経能楽鑑賞会以来?え、ホントに?他になかったっけ??💦💦

まぁなにはともあれ、好きなシテ方さんの一人なので、久しぶりにシテを拝見出来て嬉しかったです。やはり、存在感が流石でしたね🥰

前シテでは、険しい表情の面を使っていましたが、脇正面の斜め前から観ていたら角度的に、凄く思い詰めてる顔に見えたり、場面によっては悲しい表情に見えたりして、改めて能面って不思議だなァと思うし、そうやって能面に血を通わせてるシテ方さんって凄いなァと改めて感じました。

老人が生きてる時の方が、想いが重く重く感じられて、まさに恋の重荷で、惹き込まれましたね。久しぶりに生々しい能を観た気がする



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