みみみ
2024-09-14 20:31:10
959文字
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【R18】correct city

180㎝の男と185㎝の男のヒューマンパロディ。
ぬるいけどやることをやっている描写がありますがぬるいです。

─思い出すのは、いつだって、あの人と初めて出逢ったうだるような暑い夏の日の事だ。

 コンクリートの照り返しに蒸し上がった東京に比べて、九州の夏は太陽が高くて、埃っぽくて、そこらかしこに生を全うした蝉が仰向けに転がっていて、ジリジリと命を燃やして謳歌している感がして、嫌いじゃなかった。
両親の顔も名前も禄に知らない俺は、幸いなことに腕っぷしが強く要領が良かったので、本来であれば義務教育を卒業する年齢の頃には、夜の街でそれなりに顔が利く程度には巧く蛇の道を渡り歩いていた。

 その日、鉄パイプを片手に、たった一人で事務所に乗り込んできたあの人は、あっと言う間に九州で最大の勢力だった暴力団を壊滅させてしまった。
硝煙と血の匂いと、自分が吐き出した胃液のすえた匂いにが鼻の中いっぱいに充満して
怒号と銃声にイカれた鼓膜を、不愉快な蝉の鳴き声が揺らす。
 どす黒く染まった鉄パイプを引きずって、俺を見下ろすあの人の顔を見上げて、夏の太陽みたいだと、死にかけの蝉みたいに事務所の廊下にひっくり返っていた俺は、反射的にそう思った。
……お前は、使えそうだな」
 そう呟いたあの人が、俺を抱え上げた後の記憶は正直言ってあまりない。
俵のように抱え上げられた時、もうここに戻ってくることは一生ないのだろうと、ぼんやりと思ったような気がする。

「最中に考え事なんざ……随分と余裕ができたもんだな」
「ハハッ……アンタに褒められるなんて光栄だね」
 締め付けられる、なんて生易しいもんじゃない。
気を抜くと、ひとつ残らず持っていかれそうで、ボーラさんとのセックスはどっちが抱かれているのか分からなくなりそうになる。
「ボーラさんって……昔からここ、弱いよね」
「ッ、どうだかな」
 腰を打ち付けた時に、ほんの少しだけ息を詰める、たったそれだけで勝ち誇った気分になるのだから、所詮最初から負け戦だ。
「ねえ……ボーラさん、」
「なんだ」
 ああ、聞いてしまえば楽になると言うのに。
たった一言、口をついてしまえば、それだけで俺は、この雁字搦めから解放されると言うのに。
「キモチイイ?」
……さあな」
 見つめ合えば全てを見透かされそうで、俺はまるでその瞳から逃げるように端をつり上げた唇の間に自分の舌をねじ込んだ。