三毛田
2024-09-13 14:22:04
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49 09. 全部をあげる

49日目 お互いの全ては

「俺のすべては丹恒のものだから」
「そうか」
 うわ。またやってる。
 そんな視線をなのから向けられているのを感じつつ、丹恒の膝に寝転がる。
 すると、いつものように頭を撫でてくれて。
「丹恒が甘やかすから」
 呆れた声。でも
「穹は今日、一人で依頼をこなしてきたんだ。俺たちが手伝えなかった分、負担をかけている。これくらいなら対価としては安いだろう」
「そうは言ってもさ」
「三月がやらないから、俺が甘やかしている」
「ウチには塩なのに! 穹にだけ甘い!」
「恋人特権だ」
「煽るな」
「イテッ」
 ぺしんと、軽く額を手のひらで叩かれる。
 煽ってるつもりはないんだけどな。恋人だから甘いのは、紛れもない事実だし。
「もう。ラウンジでやらないでよ。自室に言って」
 と、手を振って。
「じゃあ、行こうか」
「そうだな」
 手を繋ぎながら、客室車両の奥の車両にある俺の部屋へ。
 ベッドに腰をかけながら、ちゅっちゅと啄むようなキスを繰り返し。
 上着を脱がせつつ、胸に触れて押し倒す。
「きゅう、だめだ」
「何が駄目?」
「明日、出かけるんだから、今日は、その、そういうことは」
「大丈夫。胸に触れるだけだからさ」
「それ、がっ。俺によくないっ」
 お前に触れられると、下腹部がきゅんと切なくなる。
 視線を外しながら、顔を赤らめて。耳。耳まで真っ赤だ。というか、耳が尖ってる気がする。
「俺に触れられると、いつもそうなの?」
「お前の手つきが、厭らしい時は……なる」
 ボソボソと、それと同時に太腿をこすり合わせて。
 すごくえっちだ。
「丹恒、俺の全部あげるからお前を全部ちょうだい」
「なに、を」
「お前のここに埋まりたいってこと」
 腹を撫でると、ますます真っ赤になって。おまけに角まで現れる。
「大丈夫。融通が利く相手だから。ちょっと遅れるって、あらかじめ言っておけばいいよ」
「穹……
「丹恒、お前の抱えているものも全部ちょうだい」
 噛みつくような口づけを。
「腰が……
「ごめんねぇ。丹恒が可愛くて、我慢できなくてさ」
「それは、言い訳になるのか」
「ならないよ。わかってる」
 俺の歯形の部分に、唇を落とす。くすぐったそうに目を細め、手を伸ばしてくる。
 肩にかかっていた黒髪が、さらりと落ち。
 伸びた手は、俺の後頭部に触れて。それから、引き寄せられる。
「お前はもっとごねてもいい」
「ごねてるよ。丹恒に関してはね」
「そうだな。俺も、お前の事に関してもっとごねてもいいのだろうか」
「いいよ、ごねて。受け止めるから」