Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
バラ肉
2024-09-12 20:34:59
4058文字
Public
Clear cache
永遠を誓おうよ!(🐞アリ)
キiタニiタツiヤさんの「ずうっといっしょ!」を聞いて無性に書きたくなった🐞アリ。
アリスちゃんに伴侶が決まったと聞いたマリキータは……!?という話。
愛を育む?エロシーンはまた後日書けたら書きます。
途中飽きたので尻すぼみです。
「アリステラに伴侶が決まった!」
突如聞こえてきたパイレートマンの声を、マリキータマンは一瞬何のことだか理解ができなかった。
「
……
おい、何を言って」
「おお!マリキータ!まったく喜ばしいなぁ!」
「いやだから」
「お相手はしかも、星1番の美人だと有名な女だ!流石はアリステラ!!今夜は祝杯だな!!」
大声ではしゃぐ相手は、マリキータの戸惑いなど意に介した様子がない。今の彼の頭の中は『自分達の当主の結婚が決まった!』とその朗報でいっぱいなのだろう。
あまりのはしゃぎっぷりに「なんだなんだ」と寄ってきた野次馬達にも、彼は律儀に今回の吉報を告げ回っていく。
「皆んな、聞いてくれ!」
大きな腕をブンブン振り回して逆にギャラリーを呼び寄せる男は、飛び上がりそうな嬉しさのせいか、見るからに浮かれていた。
一番に告げた相手の反応を、それ以上聞き返すことすらなく。
むしろ『彼も自分と同じで、次代のオメガの繁栄への約束に、さぞ心を躍らせているはず』なんてお気楽に考えていたに違いない。
「ああ、なんとめでたい!!」
天を見上げ、うっすらと感動の涙を滲ませたパイレートマンの目には、さぞや明るいオメガの未来とアリステラの家族団欒の光景が写っていたことだろう。
故に、彼はーーマリキータマンが握りしめた拳から血を垂らしていたことなど知る由もなかった。
***
「はぁ」
重い溜息が一人きりの部屋の中に響く。
「
……
全く、どうしてこんなことに」
続いて、どこか困ったような呟きが漏れる。
普段の厳かな喋り方とは一転。その言葉の端々からは隠しきれない戸惑いが滲んでいた。
ディクシアがいた頃からある愛用のソファに背中を預け、顔を両手で覆うアリステラはーーまさに窮地に立たされた気分だった。
チラッ。
指の隙間から、サイドテーブルに無造作に置かれた豪勢なフォトブックに視線をやる。無駄に凝った装丁のそれは、シンプルを好む彼の自室で一際異質さを放っていた。
「余計なお世話だと言ったのに」
受け取った際のやり取りが脳内で再生されたのか、手の下の顔が歪む。
両親から嫌と言うほど確認を強要されたその中身はは、彼にとっては決して嬉しいものではなく。
「参ったな
……
」
アリステラは堪らず肩を落とした。
オメガ前当主から渡された観音開きに折り畳まれた冊子は、秘伝の技が書かれている訳でもなければ、オメガ宗家の家訓等とも一切関係ない。
にも関わらず、華やかな見た目とは裏腹に妙な威圧感があるその正体ーーそれは、所謂お見合い写真と釣り書きというものであった。
『母様の友達の娘さんなのよ!』
『この星でいちばんの美人だぞ!』
ここ最近しつこく絡んできた両親に根負けし、半ば強引に押し付けられた代物に、アリステラはため息が止まらない。
「
……
確かに、必要性はある」
先行き怪しいオメガの未来のため、当主として次世代に託す準備をするのは大切な仕事だ。ましてや憎き仇と思い込んでいたザ・マンとの仲も修復した今、新しい道標として伴侶と後継を作ることは、早いに越したことはない。
現当主として、その大切さはよくわかっている。
わかってはいるが、だからといって簡単に受け入れられるか?となると話は別だ。
「
……
お前はどう思う、マリキータ」
無意識に呼んだ名前は、共に地球に降りたかけがえのない同志であり、誰よりも自分も理解してくれる1番の親友であり、生涯自分を守ると誓った仲間であり、そしてーー現在進行形で愛しあう男の名だ。
そう、アリステラにはれっきとした恋人がいるのだ。
流石に公言はしていないものの、それでも今の彼の心を占めるのはマリキータ一人だけ。申し訳ないが、他の相手が入る余地はない。
『アリステラ!』
自分を呼ぶ優しい声が。
絶対に守ると盾になる背中が。
まるでガラス細工に触れるように慎重に抱きしめる腕が。
アリステラには何よりもかけがいのないものだった。
何があっても、失いたくないものだった。
「やはり、今さらと言われても断ろう」
そこまで呟くと、アリステラは顔を覆っていた手を静かに下ろした。
現れた顔には、最初の困惑とは打って変わって揺るぎない決意が滲んでいる。
次世代のことは確かに考えなければいけない事案だ。しかし、いま必須かと問われれば「否」と答えても問題はない。
アリステラは早速両親に断りを告げるべく、出入り口への足を向けたーーその時。
ガチャッ。
ノックもないままに外側から開けられた扉に思わず体が固まる。おまけに、そこから覗く顔に反射的に息を飲む。
「っ! ま、マリキータ
……
?」
「
……
アリステラ」
のそりと部屋に入ってきたマリキータに、アリステラは目を丸くした。
まさか今の今まで考えていた相手がこのタイミングでやってくるなんて。
思いがけない展開に、さしもの冷瀬沈着な彼も驚きを隠せない。反射的に後ずされば、その様子をどう捉えたのか。ズンズン部屋に足を進めたマリキータは、アリステラの前まで来るとジッと彼へと顔を向けた。
「アリステラ、聞いたぞ」
「え
……
」
「パイレートマンが言いふらしていた。お前に伴侶が決まった、と」
「なっ!?」
マリキータからの報告にアリステラはグワっと目を見開いた。
(なんてことを!?)
とんでもない事実にアリステラの顔からは冷や汗が溢れる。
顔の広いあの男のことだ。きっとどこかのタミイングで情報を得るとは思っていたが、まさかこんなに早いとは流石に予想だにしなかった。
しかも周りに言いふらしているだなんて、とんでもない。
「マリキータ、パイレートマンとはどこで会った!は、早く本当のことを教えないと
……
」
「本当の、こと?」
慌てた調子で問いかける相手に、マリキータはピクッと体を揺らした。
「ああ、そうだっ。
……
全く、話が回るのが早すぎる」
忌々しそうに顔を歪めるアリステラは、一刻も早くパイレートマンを捕まえ、触れ回った相手にどうやって前言撤回させるかで頭がいっぱいだった。
「にしても、なんでこんな内々の話を
……
」
ブツブツ呟く彼は、その言葉に目の前の相手の体が一瞬強張ったことに気づいていない。
話はどこまで広がっているのか。どうやって訂正させようか。考えることは山ほどあった。
だから、いつものは見逃さないマリキータの変化にも気をやれなかったのだろう。
フルフェイスマスクの下で、音が鳴るほど歯を食いしばった事すら彼は知らず。
「
……
だ」
「ん?」
「
…
.いやだ、アリステラ!!」
絞り出すような咆哮を受けたアリステラは、次の瞬間
ーー何故か、天井の間接照明を見上げていた。
「な、え
……
っ?」
一体自分の身に何が。
そう考えるより先に、ビリビリッ!と布の裂ける音が鼓膜に届いた。
「ぁッ
……
!」
止める間もなく、ビリッ!ビリビリッ!と音は容赦なく続き、それに合わせて肌が寒くなっていく。
「なにを」
「アリステラ
……
ッ!」
その声を聞いてようやく、アリステラは自分の状況をーーソファに押し倒された挙句、自らが身につけていた服を破かれている現実を理解した。
「ッ!
……
マリキータ、これはどういうつもりだ!」
犯人であるマリキータに対し、一拍遅れの非難の声が飛ぶ。しかし当の彼はその叫びなど気にする素ぶりも見せず、自分の下にあるアリステラをジッと見ていた。否、引き裂いた服の下にある白い肌を食い入るように見ていた。
「なあ、アリステラ」
「っ!」
まるで感情を押し殺したような呟きは、余りにも冷たかった。マスクに隠れて表情が見えないせいか、余計にその真意が測れない。だからか、自分の肌にスッと置かれた指に、アリステラは思った以上に体を震わせた。
それをどう受け取ったのか。
喉から胸、そして腹部にかけて、彼の太い指がゆっくり滑るように皮膚をなぞる。
「っん
……
」
その動きは怪しく、触れるか触れないかの絶妙な感覚はまるで情事を思わすようで、アリステラは知らずのうちに顔を赤くしていく。あまつさえ、その指が触れるのは、先日彼との行為の際に掴まれた指の痕や、弄られて痛いほどに擦れた乳首といった嫌でもその時の記憶を彷彿させる場所ばかりなのだ。
「ちょ、マリキータッ!いい加減にしないか!」
流石にこのままではいけないと、今度こそ強めに静止の声を放つ。すると、答えるように指の動きがピタリと止まった。
(分かってくれたのか?)
そう安堵の息を吐きかけた時。
「こんな痕を残しておきながら、他の女を選ぶのか?」
底冷えするほどに冷たい声に、ギクリと体が強張る。
「なに、を」
そんなわけない!
本当ならすぐにでも言い返したかった。実際、その件に関してはちょうど今から断りに行くつもりだったのだ。こんな話、飽くまでパイレーツマンの早とちりでしかない。
だから早急に、恋人に否定を告げねばならない。
しかし、アリステラはマリキータの纏う殺気に唇が上手く動かない。
これほど鬼気迫った雰囲気を見るのは、彼にとって正直初めてだったのだ。初めてリングで戦った時でさえこれほどの迫力は無かった。
「例えお前でも、それは無理だ
……
アリステラ」
「マリキー、タ
……
。頼む。オレの話を」
聞いてくれ。
必死に続けようとした言葉は、しかし突如自分を覆う薄い繭によって言い切ることは出来なかった。
「愛しているよ。だから、どうか
……
お前はオレのものだと分かってくれ」
「っ!?」
その言葉を示すように、アリステラはマリキータからの愛を数日休まずに受け取る羽目になるのだった。
***
後日。
ボコボコになったパイレートマンが触れ回った相手に菓子折りを配って訂正行脚をしたのは言うまでもないだろう。その後ろで、これまたボロボロのマリキータが厳しく監視していたのも、ここだけの話である。
おわれ
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内