三毛田
2024-09-12 19:42:43
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48 08. 恋人という距離の取り方

48日目 初めてだからわからなくて

「なの、俺の何が駄目なんだと思う?」
「そういうところ。重いところ、すぐゴミ箱に吸い寄せられるところ」
「ぐぅ、正論すぎて言い返せない」
「急にどうしたの?」
「実はさ、丹恒と交際することになりまして」
「へ〜。あの丹恒とねぇ」
 ズズッと仙人爽快茶を啜る。文句があるなら、星芋ぷるっぷるに中身を入れ替えてやろうか。
「驚かないんだ」
「穹が来る前に、丹恒に淡々と告げられたから。あんたと丹恒、好きの温度ちゃんと同じ?」
 指先で唇をトントン叩きながら、そう訊ねてくる。
「多分、違う。丹恒の好きと、俺の好きを比べたら、丹恒の方が冷たいとは思う」
「う〜ん……
「なに」
 今度は悩むような声を出して。思わず不機嫌な声が出てしまう。
「知らぬは本人たちばかりってやつ。ちゃんと会話しなよ?」
「するよ」
「それならよし」
「そういえば、今飲んでるのはどうしたの」
「これ? 丹恒がお礼にくれたんだ」
 と、何かを期待するような目で俺を見てくる。
「何が食べたいの」
「甘いものがいいな」
「じゃあ、仙舟繋がりで獏巻き」
 渡すと、ちょっとだけ不満そう。でも、食べればすぐに笑顔になるだろう。なのだから。
「じゃっ」
「ばいばい」
 丹恒のところへと向かう。
「丹恒、今いい?」
「ああ。どうした?」
 振り返った丹恒の唇には、豆沙餅の皮らしきもの。
「ん。穹?」
 それを指先で取った後、口へと持って行けば。じわじわと真っ赤になっていて。
「お前、何を」
「丹恒が食べたもののカスがついていたからさ」
「うっ」
 恥ずかしかったのだろう。そっぽを向く。
 距離をはかりかねた気もする。怒られそうだ。
「それで。何の用だ」
「お前の好きと俺の好きは、同じなのかなって気になって」
 唇を撫でていた指が止まる。
「それは、どういう」
「互いの好きの重さが同じじゃないと、大変なことになるって聞いたからさ」
……
 指は顎に動き、考え込むように肘を支え。
「お前を好きでなければ、俺の一部だとは、言わない」
「その、好きの重さがさ」
「三月曰く、おれのコレは重いらしい」
「うん」
「だから、その……お前から俺への好意がこれと同じであればと思うことしか願うことしか出来ない」
 少々自信なさげに、か細い声。
 丹恒、俺が思っているより俺のこと好きじゃん。
「多分、丹恒が思うより俺は、お前のこと好きだよ」
「そう、か。それなら嬉しい」
 と、ほんのり頬を赤く染めて俺を見る。声も、嬉しそうだ。
 すごく可愛い。
「キスしていいかな?」
「いいぞ」