三年の月日はあっという間である。惜しむように一日を過ごし、身を鍛え、知識を養った。それでも不足はまだまだ溢れてくる。しかしようよう及第点を貰えたのだ。
金色の懐中時計の蓋をパチンと閉め、胸ポケットに丁寧にしまった大柄なオオカミ執事はゆるりと尻尾を振りながらとある店舗を見上げた。
Random play、六分街にてふたりの兄妹が経営するビデオ屋だ。親切な店長が個人のニーズに合ったビデオをオススメしてくれるともっぱらの噂である。
執事は今一度、身なりを整え、勝手に揺れてしまう尻尾をしっかりと押さえて店舗のドアを潜った。