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溶けかけ。
2024-09-08 23:05:07
947文字
Public
ほぼ日刊
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この何気ない日常を――
甘えん坊するヌヴィレットさんのお話。
タイトル&監修をおぼろさんにしていただきました。
「おはよう、ヌヴィレット」
朝焼けが瞬く。ぼんやりとフリーナを見上げる瞳は、まだ夢と現の境目を行き来している。
「あっ
……
こら!」
ヌヴィレットの腕がフリーナのネグリジェの裾を捲る。露わになった腹に彼の唇が落ちる
――
腹へのキスは回帰を意味する。軽いリップ音を響かせながらヌヴィレットはフリーナの腹部へ痕を残す。
「もう、やだぁ
……
」
頰を赤らめ、息を弾ませたフリーナを毛布の中へと引き込む。彼女は抵抗すらせず、従順に引きずり込まれた。
薄暗い毛布の中、人肌の温もりが残ったシーツに真新しい皺が刻まれる。
「んっ
……
やぁ
……
だめ、だってぇ
……
」
ヌヴィレットの頭を押し返そうとするも、びくともしない。それどころか、フリーナが抵抗を見せる度に彼の瞳の奥でパチパチと炎が爆ぜる。
「ひゃっ
……
!」
フリーナの太腿にヌヴィレットの冷たい唇が触れた。ぢゅっと音を立てて吸い上げられ、赤紫色の鬱血痕が残された。
彼はそれだけでは飽き足らず、更にフリーナのネグリジェを今度は首元まで捲り上げた。薄暗い毛布の中であってなお、彼女の肢体は白く輝いて見えた。
「もう! いい加減にしろっ!」
ぽこっ、とフリーナがヌヴィレットの頭を小突いた。
彼は眉間に皺を寄せて、不服そうな顔をするも、やがて諦めたように彼女から手を離した。
「まったく
……
甘えたいならそう言えばいいのに」
ヌヴィレットの頭を掻き抱く。わざわざ、怒られるようなことをするのも、彼がフリーナに構ってもらいたいが故であることを彼女は知っていた。
「僕はどこにも行かないよ。ずっと君の側にいる
……
この命が尽きるまでだけどね」
ぎゅっとヌヴィレットがフリーナに縋り付く。
――
ごめんね、君と一生を共にする勇気が持てない臆病者で。口を噤む。気を抜けば、口からこぼれ落ちてしまいそうだ。
謝ることはしない。
僕とヌヴィレット、二人で話し合い、納得して決めたことだからだ。
「大好き、ヌヴィレット。僕を選んでくれてありがとう」
感謝と愛情、僕の全てをキミに捧げよう。
ヌヴィレットがフリーナの胸元に顔を埋める。ぐりぐりと頭を押し付ける様は小さな子どものようだった。
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