葉咲透織
2024-09-08 19:33:42
3427文字
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「選べなかった男」あとがき

本に裏話的なのを入れる余裕がなかったので、ここに載せておきます。

改めまして、葉咲透織です。
この度は拙作、「選べなかった男」を手に取ってくださって、本当にありがとうございます。
ゲ謎・父水……絵や漫画の上手な人もたくさんいるけど、小説めちゃくちゃ上手い人も大勢いる中で、「読みたい」と思ってくださったこと、嬉しく思います。
(特に転生モノだし、竿も玉も男女両方生殖能力もある男ふたなりモノというニッチな作品なのに……

「ページ調整にあとがきを書く必要があるだろう」
と思っていたら、奇跡的にまったくページが余りませんでした。
が、小説書きの性ではないのですが、「作品語りしてぇよ~」という気持ちが衰えないため、webに残しておきます。
(絵描き、漫画描きの方って、そういうことないんですかね……?)
お暇な方は、ぜひともお付き合いいただけると幸いです。

また、同人誌にもQRコードを載せていますが、感想フォームを設置しています。
フリー欄もありますが、選択式の簡単なアンケートだけでもお答えいただけると、今後の執筆のモチベーションとなるので、ご協力よろしくお願いします。

感想フォーム


「陰陽」
脳内ですぐにできた話です。何度かpixivのキャプションにも書きましたが、一連の話はすべてノープロットです。
(普段、一次創作でこの長さの話を書くときは、長編であろうと短編連作であろうと、必ずプロットを作ります)
この話だけで終わる予定だったものが、なんだかんだと五話+書下ろしになったのも、感慨深いですね。
男ふたなりにしよう、とふと考えて、理由付けをするのに前世水木の「来世ではお前と子どもを」と約束をするシーンを思いついた瞬間、「選べなかった男」というタイトルが決まりました。
タイトル考えるの苦手侍なので、非常に珍しいことです。
モブ後輩、出すだけ出してpixiv版では後始末を一切していないことに気づき、同人誌版では加筆しました。
え? 父水に関係ないところだからどうでもいい? それは、そう。
「陰陽」は男でもあり女でもある身体の水木のイメージでつけました。

「愛嵐」
「あいらん」、と読んでほしいけれど、ぶっちゃけどう読んでいただいてもかまいません。造語なので。
pixiv版では「変幻」としましたが、いまいち気に入っていなかったのです。
他の話のタイトルはすぐ決まったし、気に入っているのですが、「変幻」だけは絶対に変えるぞ、と。
「変幻」とつけたのは、この話で水木が女装をしているからですね。
タイトルだけじゃなくてこの話、シーンごと加筆しなければ気が済まなかったので、推敲のときに別のノートに手書きしました。
腱鞘炎になるかと思いました。
水木の中学高校時代の話が出てきます。実はここで、水木を無視せずに話しかけてくれた女の子が、実は沙代さんの生まれ変わりの少女で……的な話をどうにか組み込めないかと悩んだのですが、無理だったので、私の脳内でのみ、水木と沙代さんの友情物語が成立しています。
「愛嵐」は、水木の前では穏やかな父が、水木を傷つけた相手に対して激おこする様からついています。
ラストはホラー的ですよね。

「憂月」
キャプションにも書いていたけれど、この字の並びを見て、「ハイ……バラ……ッ!」って連城響生になった人は、ぜひとも握手をしてください。
(たぶんいない)
憂鬱な月、月を憂うということで、初めて月のものが来てしまう話でした。
ここまでの三話は、一話につき一エロを書いていて、自分えらいな~、と思います。
二話に出てきた大鴉に水木が「ヨシツネ」という名前をつけていますが、これは「カラス」→「crow」(クロウ)→「九郎」→「源九郎義経」という連想ゲームからです。
「ゲゲ郎」とつけたネーミングセンスとは思えないな(笑)。
しかもそのあと、鬼太郎に「ゲタ吉」ってつけているので、「ヨシツネ」は水木の中で確変が起きているとしか思えませんね。
オメガバースだと月経描写あんまり見たことない(少なくとも商業では見たことない)けど、男ふたなりなので初潮の話はマストで書きたかった。
そういえばこの話、父は夢の中でしか登場していないですね。
鬼水も好きなのですが、この鬼太郎は水木に恋愛感情はありません。
(ゲタ水よりも鬼水の方が好き)
(ただしほぼ読み専)

「優月」
こちらも「ゆうげつ」と読みます。本当は「憂月」一本の予定だったのですが、思いのほか長くなったので分けました。
これ思いついたときは「天才かな!?」と自分でも興奮しました。父の前世水木に対する在り方を端的に表した造語ができてうれしい。
ここで鬼太郎母が初登場します。
父水を書くにあたって、この人の存在は不可欠です。
原作で決まったパートナーがいる場合、「それ(原作)はそれ、これ(二次の幻覚)はこれ」と、別モノとして美味しくどちらもいただけるので、普段短編を書くときには無視しがちなんですけど、長編で、本を出すとなると避けては通れませんでした。
普通の感覚だと、父のパートナーは故人となっていて、その後水木が彼と恋仲になるのは別に不自然なことではないし、赦されないことでもないと思うんですよ。
けれど幽霊族だから、死別が永久の別れにならない。
(今書いてて、「死別」が「標津」という誤字になっていたのを思い出した。道産子か!)(……道産子なんだよな)
だからこそ、水木を納得させる必要があると、母との対話をいろいろ考えました。
プロット立ててなくて一番後悔したのはこの話ですね。
たぶん今後も転生モノだったりを書くと思うんですけど、母のスタンスとしては、「夫とは死後再び番うし、転生してからも夫婦になるから、現世にいる間はどうぞ?」で統一かなあ、と思っています。
この辺書きながら推敲しながらちょっと泣きそうになったところでもあります。

「結縁」
ようやくの本懐! エッチシーン大増量でお届けしました。
お風呂でして、布団でもする。媚薬も使ったし、ラストは中出しですよねやっぱり。
最初の段階では、「陰陽」とこの「結縁」でのラスト、「俺は選べなかったんじゃないんだ」というシーンしかありませんでした。
三浦しをん先生だったかな? 小説の書き方講座的の中で、タイトルの決め方という回があったときに、「反語的につける」というテクニックを紹介していたと思うのですが、まさしく「選べなかった男」は、反語的なタイトルです。
水木の気づきでカタルシスを得ていただけると、書いた甲斐があります。
これ読み仮名つけておけばよかったな。「結縁けちえん」です。「炎の蜃気楼」でしか見たことのない字の並びですが(もともと仏教用語)、「これしかない!」とつけました。


「乱満」
「らんまん」。乱れて、満ちるということでエロを書きたかった書下ろしです。
もうじゅうぶんエロは書いただろって思われそうですが、いやいやいや、男ふたなり、「男」なんですよ。
男同士のエッチ、そう、アナルに一度も入れていないどころか触れてすらいないんですよ!!!!
なのでアナルセックス編書きました。
父は母とはそういうプレイを楽しんだことはないし、もともと男色家ではないので、水木に女性器ついてたらそっちに入れるだろうから、ここは水木に頑張ってもらいました。
ところで私、「夫」と書いて「つま」と読むのを推奨する会の会長なので、「男同士なのに妻って使いたくないなあ~」って人は、ぜひとも一緒に「夫」に「つま」とルビを振ってください。


※※※

次回イベント参加は未定です。
公募〆切に向けて日々を生きているので、2月の父水オンリーはちょっと無理そうです。今回出なければ、2月出る予定でいましたが。
なので6月or7月のオンリーに出られたらいいな、と。
寿命差萌えの中でも、解消されないのが好きな種族のため、水木死別→転生はまた書くと思います。
うーん。でも次はシネコンパロかな。
(すでに旬を逃しているとしても、私はまだ煎じていないので)
シネコンパロと言いつつ、プロ奏者どころか音大生でもなんでもない水木と、バイオリンの精霊みたいになっている幽霊族の父、成長鬼太郎と母も添えて……な話。
これはさすがにプロット練らないと無理ですねえ~。

pixivで父水メインに書いていますので、よろしくお願いします。

2024年10月 葉咲透織