井見
2023-01-21 22:54:05
3984文字
Public 真Ⅲ二次
 

明くる日のベルスーズあとがき

あとがき&蛇足説明です

せっかくなので感情のアーカイブを置いておきます。

同人誌というか一冊という箱の中にまとめるときは、自分の中で何かしらのテーマ的なものがある(その方が書きやすいので)のですが、このお話は「やり残したこと(できなかったこと)」をテーマにしました。

初めて再生エンドに辿り着いた時、謎に勇が迎えにくる時点でいっぱいいっぱいにもなりつつ、受胎前には成し遂げられなかった友達との待ち合わせに成功したところで終わるのがなかなか心をかき乱すエンディングでした。
ありきたりな日常が戻った、それだけならOPのようにメトロに揺られていてもいいだろうに……それなのに、ということが、そして待ち合わせに合流する時、作中微動だにしない主人公の表情が映されないことが……"視"えた……になり、同時に感情を整理したく、本になりました。

ほとんど作品内で連呼してもらいましたが、このエンディングで創られる新しい日常は、おそらくほとんどが元の世界のまま、だけどほんの少しだけ書き換えられている、その差は主人公によってもたらされるものなのだろう……と思うと、たまらない気持ちになります。
どうしてこの日常が再び創られたのか、それはやっぱり創世の主人たる主人公がそう望んだから。なぜ望んだのか? ということに対して、それはやり残したこと(できなかったこと)=未練があったからだ、という一つの可能性に関しての文になりました。ただそれだけのことでもいいじゃん、という気持ちも多分に入っています。


一編ずつ蛇足説明します。

・最初のやつ
日常が創世されるエンディングを迎える、それはいいんですが……はい!!!!日常!!!!人間ボディどうぞ!!!!高校生やってくださいね!!!!と新しい日常を与えられてOKOKとスパッと切り替えられるのか? あれだけ命懸けで戦い、文字通り立ち塞がるものを殺し尽くす時間を過ごして……という気持ちになりました。世界が創られたとしても、自分の心がまだ自分に追い付いていないのでは? という文でした。自分が殺した友人たちと仲良く笑い合えるのか? 戻ってきたありきたりな日常を眩しく思いつつも、そのギャップに苦しんでほしい……(最悪)という思いです。

主人公の友人としての勇と千晶はどれくらいの友好度なのか?というのはもはや推し量るのも不可能なほど本編内では情報が少ないのですが、いざ殺し合いというところで二人とも主人公は友達だったが……という旨の発言することから、今回は結構友達なのでは?ということにしています。生涯のマブではないが、クラスの中ではつるむ方……みたいな……生ぬるい関係で……

また勇と千晶はどちらも人間そのままの姿を捨て、主人公と同じく何かと混ざり合った姿を得ていました。そのため二人の人間の姿というだけでもボルテクス界の記憶と結構ギャップがあるといいな……ということで何気にこの嘔吐シーンを一番最初に書きました。具体的には半年前くらいに……我ながら文がノリノリです。吐いてほしすぎる(最悪)。


・ヒジリのやつ
このお話のためにはまず代々木公園の話をしないとな……ということで現れたるはヒジリ。ヒジリとの交流では月刊妖を貰いますが、早々に千晶の手に渡るので、ゆっくり読めてなさそう……ということでやり残したことその1をお願いしました。やり残したなあとすら覚えていないくらいの些細な出来事としてのお願いです。
ヒジリもご多分に漏れず様子がおかしくなって行きましたが、まあ限界状況だったもんな……と冷めた感情……でお願いしました。なんか色々大変らしいですが、創世というシステムと合わせてまあそういうものなのだろうな……と受け入れている感じになりました。

地下鉄も結構好きなので書きました。冒頭で主人公は地下鉄ユーザーであると示されてから、ボルテクス界では地下鉄は坑道として利用されている、その崩壊の示唆が大好きです。元々あったものがおかしな使い方をされているの、ドキドキします。駅に悪魔がいるの、かなり絶望的……大好き!


・先生のやつ
先生もOPでなんか意味深なことを言っていますが、本編内ではアラディアがインストールされているのもあり、結局全てを教えてあげる……みたいなのやってくれていなくないか?ということでやり残したこと二つ目です。

世界が受胎で滅んで創世の儀式を待つみたいなフローは天災じみたまあそういうもんだと思いつつも、でも主人公(とたまたま友達も)を巻き込んだのは先生の意志によるもの(例えそれすらそういうもんだとしても)だということを、あのプロローグの夢で主人公は知っているはずだよな……と思うとちょっと当たり強めになってしまいました。
先生はおそらくボルテクス界での出来事を覚えているのだと思いますが、その事態を引き起こした張本人の1人でもあり、腹を割って話そうとか無理だろ……という感じです。先生自体は説明書曰く生徒に人気がある?らしいので言ってることはちゃんとしているけどおまえが言うんじゃねーみたいな……そんな塩梅を目指しました(?)


・ライドウのやつ
ライドウ……出てもらうかどうかかなり悩みました。なにしろ彼は何個も主人公やっているので、下手に喋ってもらうと主人公持ってかれる……!!(?) ただヒジリのところでこれマニアクス経過してるやんけとなったため、出て……もらうか……!と決定しました。マニクロしててもなお再生エンドを選ぶという文脈も出たかも?

主人公の学校は……どこなんだろうなあ……JRユーザーならSuica使ってるかも?!ということと近さで御茶ノ水駅から中央線で飯田橋駅みたいな……適当なイメージで書きましたが、知りません。会場が飯田橋駅なのは、ライドウのおうちが神楽坂(ゲーム中では神代坂)らへんにあるのと、そこの牛込橋(ゲーム中では丑込め返り橋)でなんかどうこうする象徴的なスポットのため……です。

この世界全然わかんねーよつれーんだけどの気持ちの話を聞いてくれるのは、ボルテクス界のことを覚えている上に、全くの部外者であるライドウが良さげだなあという気持ちもあり、そんな感じでお願いしました。あと戦いの無い"普通"の学生の日常に帰還した主人公と、尚命懸けの戦いもまた日常であり続けるライドウ……対比にくぅ〜っとなる!(?) 普段命懸けだからこそありきたりの日常を大切さにしているタイプのライドウであれば、なおのこと主人公のもとへ帰ってきた日常を寿いでほしいですね。そんなことで戦ってもいいし、そんなことで世界を望んだっていい。

そういえばライドウとはさよならをしていなかったなあとやり残したことに気づいてもらう、というわかりやすい流れにもなってよかったかなと思います。題のベルが鳴るは電車の発車ベルが鳴るのと、ring a bellの意味を含ませています。似たような境遇、それでも決定的に違う同年代の男のやり取りから感じてくれ、何かを……という主人公への思いです。

あと……友人の手を取るという概念が好きなので、冒頭で勇や千晶の手をとってもらいました。またここでも握手を……頼みました。そういうことで頼んでいます。


・最後のやつ
ようはこれが言いたいがために数万字つらつらと書いたので、これだけでいいくらいです。
待ち合わせに遅刻したのが心残りだったなあ。それだけのことが心に引っかかってたりして……日常を再び望んでも良くない? そういう……感じです。思えば本編では主人公はほとんど全てに後手後手に回っていて、何もかも間に合わず手遅ればかりなのがかわいいですね。ヒモロギをセットしてもみんな先でスタンバイしているし。遅れてばかり、最初から。そして再生エンドでは……待ち合わせに成功! それが本当に……好きなんですよね…………
先生がボルテクス界での出来事を覚えているように、他の人たちももしかしたら無意識レベルで覚えているのかもしれない……今回の文は主人公の一人称視点なのでそれはわからないし知らなくてもいいことのため、謎です。

あとPS4でプレイしていると実績が表示されるのですが、このエンディングで獲得できる実績名が「変わらぬ日常、変わる心」でして、それが心から……じーんとくる……大好きなのです。同じような日常でも捉える心が変わった、だからこそ先生は昔の世界が悲しく見えていた(今は違う)という話が出てくるんだろうな……と思い、私はこれに非常に共感を覚えました。本当に最悪で滅んだほうがいいくらい歪んだ気持ち悪い世界でもあり、それでもありきたりな、愛しくも輝かしい面もある。それを無視したくはない。そんな風に感じます。急に重い。


・タイトル
タイトルは明らかにノクターンを意識しています、というかショパンのノクターンを聞きつつ、あるやん……!この曲が……!!!!となったのでタイトルに持ち込ませていただきました。なのでショパンのベルスーズがテーマ曲(?)です。

ベルスーズはそのまんま子守唄という意味らしいです。ボルテクス界という沈まぬカグツチが照らすあまりに明るい夜が終わり、新たな明日がやってくる……的な感じでノクターンという副題がついているのかなーとぼんやり感じていますが(インタビューとかで答えがあるかもですが、とりあえず自分の中で)、主人公の心に明日が来るにはもうちょっと延長戦たのむ……!(?)みたいな気持ちも入っていました。


そんな感じで長々と書きました。お手にとってくださった方々、webでご覧の方々、ありがとうございました!!!! ご感想もありがとうございます。励みになります。またなんか書きます。



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