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カッパ巻き大車輪
2024-09-06 19:20:08
952文字
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小説
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スネ6♀の小説
閣下特製、621ちゃん甘やかしフィーカの話。甘えるから甘やかす。甘やかすから甘える。その繰り返しなスネ6♀。
コポコポと音を立てて、真っ黒な液体がカップを満たしていく。
漂う香ばしい香りに、いいかおり、と呟けば、吐息だけで笑う気配が頭上からした。
「なんで笑うの?」
「生意気なことを言うものですから」
ブラックで飲めもしないくせに、と続けて、スネイルは笑う。
ムッとして、腰元にぎゅうぎゅうと抱き着く。
「レイヴン」
柔らかく名前を呼ばれたので、まだ少し唇を尖らせながら顔を上げる。
宥める様に、大きな手が頭を撫でた。
スネイルの執務室には、黒とシルバーに輝く立派なフィーカマシンがあって、会いに来た時にはいつも、美味しいフィーカを淹れてくれる。
今は、その用意をしているスネイルに、くっついて甘えているところだ。
「ミルク入れてね」
「はい」
「お砂糖も、お砂糖も入れてね」
「はいはい
…
」
スネイルは凄くて、何かで計っている訳でもないのに、いつも同じ色、同じ甘さのフィーカが作れるのだ。
「貴女くらいですよ、こんな事を私にさせるのは」
「私だけ?」
「他にいないでしょう、こんな怖いもの知らず」
「私だけ、特別ね」
嬉しくて見上げると、スネイルは片眉を少し上げて、呆れたようにため息をついた。
そして、出来上がったカップをマシンの傍らに置いて、色違いのカップをセットする。
最近気付いたけど、先に私の分を作っておくのは、次にスネイルの分が出来上がる頃に、少し冷めて飲みやすくなるからみたい。
ミルクとお砂糖たっぷりの、私専用のフィーカ。
……
でも、本当のことを言うと、最近はブラックでも、少しなら飲めるのだ。
カップの半分くらいまでなら、美味しいとさえ思う。
全部はまだ、苦くて飲みきれないけど。
ミルクとお砂糖たっぷりフィーカと、真っ黒苦々フィーカのカップを持ったスネイルを追いかけて、応接ソファに並んで座る。
スネイルの手にある時は小さく見えるカップが、受け取ると大きく見える。不思議。
「甘くて、おいしい」
「子ども舌」
「こどもじた?」
「味覚がお子様という事です」
「それでも、いいもん」
べっ、と舌を出してから、私だけの特別なフィーカを堪能する。
ブラックでもちょっとなら飲めることは、内緒。
手を掛けて甘やかして貰えるのだから、子ども舌でもお子様でも、一向に構わないのだ。
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