三毛田
2024-09-01 15:42:21
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37 07. 背中越し

37日目 その熱が心地よい

 背中合わせに座り、互いの背を背もたれに。なんて、くどい説明。
 でも、現状はそうなのだから仕方ない。
 上着を脱ぎ、シャツ一枚という彼にしては無防備な格好。
 伝わってくる熱は、ちょっとだけ低い。でも、それは意外と心地よい。
「丹恒、お腹空かない?」
「飲み物は欲しい」
「持ってくるから、体重かけないで〜」
 俺が軽く悲鳴を上げると、小さく笑って。どうやらご機嫌なようだ。
「コーヒー? ベリージュース? 熱浮羊乳のストックは温かいのも冷たいもあるし、鱗淵氷泉もエナジードリンクもあるけど」
「今日はノーベリージュースで」
「オッケー。パムに用意してもらうから待ってて」
「ああ」
 スマホを置いて部屋を出る。
 パムにお願いして、ノーベリージュースを作ってもらい戻る。と。
「なにそれ可愛い」
 俺の上着を背中に乗せ、足を軽くばたつかせて寝転がっている。
「お前の真似だ」
「俺、そこまで行儀が悪い?」
 問いかけに答えはない。
 どうぞ。と、グラスを渡す。でも、受け取らなくて。
「ほら」
 ストローを口元まで持っていくと、ようやく吸って。
 どうやら今日は甘えん坊みたいだ。
「今日の丹恒は甘えん坊だ」
「たまにはいいだろう。俺は、正しい甘え方がわからない。だから、アーカイブや物語から仕入れた知識を実践している」
「それでいいよ。俺だって甘え方知らないし」
 ジュースを飲む前に、丹恒の頰にキスを落とす。
 俺達の中で甘え方が上手いのは、きっとなのだろうな。
 こぼさないよう気をつけながら、丹恒の隣に仰向けで寝転がる。
 そして、そのままゲームを再開。と、丹恒は俺の腹に頭を乗せて読書を始めて。
「丹恒さ~ん?」
「駄目か」
「今日はそんなにくっついていたいの?」
「そうだな。お前にくっついている時間と面積が長く広ければいい」
 うわぁ。これは、甘えてるのか、それとも戯れたいのか。よくわからないけど、まあ、俺も丹恒と一緒にいられるのは嬉しいからいいかな。
「丹恒、チューしたい」
「ん」
 本を閉じ、俺の腹に跨るとキスを。
 顔の横を、長い黒髪が流れていって。
「こうやって見る飲月の姿も、悪くないな」
「嫌か?」
「むしろいいってこと。今日も丹恒は綺麗だ」
 頬を撫でると、気持ちよさそうに目を細めて。耳がピコピコ動いている。
 多分、耳の動きは無意識だろう。
「好きだよ」
「俺も、穹が好きだ」
 互いに好きだと告げ合って、またキスを交わす。
 唇から伝わってくる熱も、心地よい。
 髪に指を入れると、サラッと指をすり抜けて。