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カッパ巻き大車輪
2024-08-30 17:36:46
693文字
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小説
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スネ6♀の小説
スネ6♀お子有り設定注意。
多分、教育上手な閣下の教えで「ママ」を先にマスターすると思われる。
「パパだよ、言ってみて。パパ」
「あー、う?」
リモート会議を終えて自室から出ると、隣の部屋から何やら楽し気な声が聞こえてきた。
「パパ、ぱぁぱ」
「ぁ、うー」
そっとドアを開けて覗いてみると、レースのカーテンが柔らかく日差しを届ける部屋で、レイヴンがベビーベッドを覗き込んでいる。
最近、喃語から少しずつ言葉らしいものを発するようになった我が子に、呼び名を教えようとしているようだ。
「教育熱心ですね」
「スネイル、お疲れ様」
呼び掛けに振り向いて微笑むレイヴンの背中を撫でながら、同じようにベビーベッドを覗く。
ふくふくとした頬の赤子が、不思議そうにこちらを見上げていた。
「せっかく教えるのなら、自分の呼び名から教えたらいいでしょうに」
腹を痛めて産んでくれたのはレイヴンなのだから、一番最初に呼ばれる特権は彼女にあるように感じた。
「だって、一番に呼んでもらえたらうれしいよ、きっと」
「ええ、ですから、」
「だから、この子にスネイルのこと、一番に呼んでほしいの」
なんて事ないように言ったレイヴンは、再び赤子に視線を戻す。
「ほら、パパだよ。ぱぁぱ」
「あーうーっ」
「あーうーかぁ」
楽しそうに笑う母親に釣られるように、赤子も機嫌良く笑っている。
相手が嬉しいと、自分も嬉しい。
レイヴンの行動原理は、いつだってシンプルだ。
難しく考える必要はないのだろう。
自分だって、この笑顔が見られたら嬉しいのは、考えるまでもない事だ。
黙り込んだこちらを揃って不思議そうに見上げてくる妻と子に小さく笑って、レイヴンには秘密で自分も「ママ」と教えてみようと思うのだった。
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