三毛田
2024-08-29 21:11:22
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34 04. 的外れな助言

34日目 あまり当てにならない

「えっ。恋人に渡すプレゼント?」
「そう」
「聞かれたって困るよ!」
 桂乃芬が悠ねえに呼び出されたというので、金人港で素裳とフォフォと共に適当にお茶を飲みながら近況報告していて。
 付き合い始めた人がいるから、アドバイスが欲しいと告げたらこれだ。
「穹さん、お付き合いしてる人がいるんだ……
 驚いたように俺を見上げてくるフォフォ。目の下のクマは、今日は少しだけ薄い。気がする。
「あれ? けいちゃんの生配信の時の質問に、恋人ならいるって答えていたじゃない。あれは嘘だったの?」
「あの時はもう付き合ってたよ。でも、色々あって、あっちはつい最近まで療養期間だったから、恋人らしいことは全然してなくて」
「恋人さんは、どういうものが好きなの?」
 ズッと仙人爽快茶を啜って、フォフォは俺を見上げて。
「本、かな」
「なら、三余書肆で売ってる本は?」
 今度は素裳が。
「一応候補に挙がってるんだけどさ」
「デートはしたの?」
「まだ。これから誘おうかなとは思ってるんだけどさ。デートスポットとか知らないし」
「金人港は? おすすめばっかだよ!」
「ご飯を買いに来てるけど、デートじゃないし」
 おすすめばかりなのはわかる。酷い的外れな助言ってわけじゃないんだけど。
 でも、丹恒のリハビリがてらご飯を買いに来るだけでデートじゃないのだ。
 特に思いつかなくて獏巻きを頬張ると、じわりと甘さが体に沁みていく。
「穹」
「うぐっ」
「あ。無口くん」
「き、穹さんっ」
 丹恒の声が聞こえ、驚いて食べかけの獏巻きを詰まらせる。フォフォが俺の飲みかけの熱浮羊乳を差し出してくれて。慌ててそれを飲む。
「穹、大丈夫か?」
 俺の様子がおかしいと気付いたようで、丹恒もちょっと焦ったように隣に着て背中を撫でてくれて。
「はあ……ありがとう。助かった」
「君もありがとう」
「はう」
 丹恒が微笑むと、フォフォはほんのり顔を赤くしてあわあわと慌てる。
「無口くん、顔がいいもんね……
 素裳が苦笑しているのが聞こえ。
「それで?」
「姫子さんから、熱浮羊乳を買ってきて欲しいと頼まれたんだ。コーヒーに入れたいらしい」
「ラテにするってことか」
 深呼吸して呼吸を整えた俺と丹恒が話していると、二人も二人でこそこそ話していて。
「アタシたちが何もしなくてもいい雰囲気じゃん」
「そうだね。けいちゃんが戻って来るまで、距離取ろうか」
「ねー」
「穹さん、アタシたち別のところに行くね」
「えー」
「穹」
 不満な声に丹恒がとがめてくる。