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リュン
2024-08-28 21:59:24
2952文字
Public
カブライ
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ふたりのまんなか(カブライ)
暦だったり魔術の設定捏造してます
「嘘!ライオス知らないの!?」
王様なんだから城下町で流行ってることは知っておいた方がいいよー!
マルシルの言葉にぽりぽりと頬を掻いたことで知らなかったことへの気まずさは伝わったらしい
ふぅ、とため息をつくマルシル
「まぁ、しばらく町の視察にも行けてないもんね」
「楽しみの一つが減ってつらい
……
」
「あと少しの辛抱だよ!カブルーが戻ってきたらすぐに連れてってもらお!」
「うん」
いつも隣にいてくれる彼は外交で3週間ほど不在だ
町を視察する時は必ず彼が同行してくれる
…
というか彼の同行なしで町に行こうとするのはお許しが出ない
アンタだけで行かせたら絶対ごろつきどもに絡まれて身ぐるみ剥がされるに決まってる!
なんて言うから
そんなに心配しなくてもって返したら物凄い顔で怒られたし1週間おやつ抜きにされたから彼の条件を飲むことにした
メリニの町を見て回ることは好きだ
色んな人種がいて同じテーブルで飯を食いながら笑ってる顔を見るとよかったなぁと思える
早く帰ってきてほしいな、カブルー
マルシルが教えてくれた流行りものもどんな風に皆に浸透したのか知りたい
「そういえばどうやって分かるんだ?」
「暦と簡単な術式で出せるんだよ、ほら、これ」
「
………
これ
…
、簡単か?」
「大丈夫!ライオス、魔術の素質はあるんだからすぐ覚えるよ、ほらやってみよ!」
「ちなみに誰と誰でするんだ?」
「私とファリンで!一度やってるから答え合わせする感じで、出し方を教えるね!」
マルシルが書いてくれた術式を読み込んで見様見真似で書いてみる
指先で文字の端に触れながら魔力を流し込むと光り始めた文字列の並びが変わって特定の文字だけが浮かび上がってくる
「8
…
と、
………
10?」
「正解!」
「あ、もしかしてファリンと二人で出かけた日?」
「んっふっふ〜!そうなの!実はその為のおでかけだったんだ〜♡」
「いいなぁ
…
」
「美味しかったなぁ〜、新しく出来たスイーツ屋さん♡」
「う〜〜、俺も早く出かけたい!」
「うんうん、カブルーと行きなよ!」
「スイーツ屋に?」
男二人でスイーツ屋にいる姿を想像してちょっと笑ってしまうけれど、きっと店の中の女の人達の視線は全部彼に向くんだろうなぁ
早く会いたいなぁ
それから数日後の夜
部屋の扉がノックされる音
このリズム、彼だ
「陛下、戻りました」
静かに開いた扉から顔を覗かせる君
「おかえり、カブルー」
会いたかった子がそこにいることについ気持ちが逸って早足になる
広げた腕の中に思いきり閉じ込めてぎゅうぎゅうに抱きしめて無事を確認する
背中に回った手が同じくらいの強さで返してくれることが嬉しい
「無事に帰ってきてくれて嬉しい」
「危険なことはありませんでしたよ」
「うん、それでも」
あ、今少し彼の気持ちが分かった
安全だろうと理解はしていても心配はしてしまうものだって
そうか、だから町の視察にも必ず一緒に来てくれるんだなぁ
大事にしてくれる相手がいるって凄く幸せなことなんだな
「なぁカブルー、君と一緒に行きたい所があるんだ」
腕の中の彼を見下ろすとつむじしか見えない
「カブルー?」
「
……………
」
「おーい?」
「
………
すみません、ちょっと、
…
離れがたくて」
可愛い
言ったら拗ねるから口にはしないけど
「じゃあ一緒に寝るか?」
「
………
寝るだけで済むか分かりません」
ぐ、と寄せられる身体に兆しが見えて少し笑ってしまう
「長旅の後なのに元気だなぁ」
「
……
俺もこんなになるなんて思ってなかったっすよ、
………
あんたの匂いに充てられました
……
」
「はは、じゃあ、ほら。おいで」
「いいんですか?」
「うん。あ、けど準備出来てないから挿れるのはなしな」
「
……………
」
あ、不満そう
けど俺だってする時は君に気持ちよくなって欲しいんだからちゃんとしたい
準備は時間がかかるから
それなら今日は早く触れたいほうを選ぶ
「カブルー」
「はい」
「いっぱい触っていいから」
「っ、ライオス
…
っ!」
「うん、ベッドに行こう」
飛びついてくる彼の頭になんだか犬の耳が見える気がした
そういえばさっきにおいって言ってたな
やっぱり犬みたいで可愛くて
ベッドに寝転がった俺に覆いかぶさってくるカブルーの頭を両手で撫でくり回してやった
翌朝
「おはよう、カブルー」
「ん
…………
、はょ、ござい
…
ます
……
」
一度顔を上げて目をしょぼしょぼさせた彼が剥き出しの俺の胸にまた顔を埋めてくる
「あぁ〜
…
寝直さないでくれ
…
」
くるくると巻いた前髪をかきあげてやりながら現れた丸い額に唇を落とす
「今日は休養日だろう?一緒に町に行きたい」
「んん
………
、町、ですか
……
」
「うん、皆の間で流行ってることがあるんだって」
「
…………
魔物や食べ物以外に興味示すなんて珍しいっすね
…
」
「国の皆が好きなものなら知りたいなって。そうだ、君にも見せよう」
「
……
?」
巻き付いてるカブルーの腕を撫でて解かせるとベッドを降りる
机の上の紙に羽根ペンを滑らせて書き上げた術式
この間マルシルから教わった時よりも上手く書けたかも
インクが染みないように少し待っていたらベッドから降りてきたカブルーに後ろから抱きつかれる
「何描いてるんです?」
「この間マルシルに教えてもらったんだ、カブルーはまんなかバースデーって知ってるか?」
「
…
聞いたことはありますね
…
、なるほど流行りものってそれですか」
「うん、仲のいい友人や恋人同士で互いの生まれた日のまんなかを特別な日として祝うんだそうだ」
「女性が好みそうだ、ちなみにこれはもしかして貴方と俺の?」
問いかけられてはたと気づく
もしかしたらこういうの、彼はそう興味はないかもしれない
覚えたばかりの術式を見て欲しくてやってしまったけれど
「あ
……
、勝手にごめん
…
、いいかな
……
?」
「もちろんです、知りたい」
見上げてくる青い瞳が爛と光る
もしかして、こういうの意外と好き?
なんだか嬉しくなる
指先に集中して魔力を流し込む
白く発光する文字がふわりと浮かんで並び替えられていく
「
…………
8と27ですか?」
「うん、そうみたいだ」
「昨日、ですね」
「え、あ、本当だ!」
特別なまんなかの日はいつもよりも少し特別なことをしたり贅沢をしたりするのがいいってマルシルが言っていた
けど昨日だったなんて
何も出来てないよ
「ライオス、落ち込んでます?」
「
…………
少しだけ」
「今からでも遅くない、祝いましょうよ、俺たちのまんなかの日」
ぎゅう、と抱きしめてくれる力が強くなる
「そしてこれから何度でも祝ってやるんですからね、覚悟しておいてください」
「えぇ?覚悟するほど?」
「お互い生きてる限り何度でも祝ってやる、もちろん貴方の生まれた日も」
「それは凄いなぁ、もちろん君の生まれた日も祝わせてくれ」
そんなにまでずっと一緒にいてくれるのかぁ、と
じわりじわりと染みていく言葉に笑いながら
伸び上がってきた彼の唇を受け止めた
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