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けーだい
2024-08-24 01:40:43
374文字
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掌中の珠
日を遮る掌の中に、空を泳ぐ白い龍がすっぽりと収まる。そのまま握りしめると、まるで龍を捕まえたみたいだった。
あんなに高いところに行ってしまった。
見上げた首はほとんど真上を向いている。あまりに高い場所を飛んでいるから、龍の影はどうやら地面まで届かないようだった。
手の中にいるはずの龍を見上げたまま、しばらく頭の中を空にする。やるべき事以外のあらゆる全てを一時忘れ去って、ただあるはずのない体温を握った掌に探り続けた。
柔く、暖かな感触。
きっとあの身体はそうではないと知りながら、いつかの記憶を掘り返したらしい脳はそれを忠実に再現しようとして、そして霧散させる。
やがて白龍は握りしめた拳から顔を覗かせて、するりと逃げていった。
手を下ろせば視界は光で白く飛んで、何も見えなくなる。ようやく目が慣れた頃には、白龍はもうどこにもいなかった。
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