楓花
2024-08-24 00:41:48
Public GD/真矢うさ 小説
 

贈り物の意味

ある日のうささんとクロさんの会話。
真矢うさ誕生日おめでとう小話





久しぶりにクロウと買い物に出かけた日のこと。
支払いをしようと財布を出したところで、目ざとく声をかけられた。

「財布、変えたんだ?」
「え、うん」
「ふーんもしかしてプレゼント?」

そういえば誰かも最近財布変えてた気がするけど、とクロウが意味深に笑う。

今やキャッシュレス決済が主流の時代。
現金やカードもまだまだ現役ではあるけれど、日常的に財布を出す場面は少しづつ減ってきている。にもかかわらず、近頃真矢はやたらと財布を出す場面が増えていたように見受けられた。

「あれもプレゼントだったりして」

言い当てられて、宇崎は少し動揺した。





今年の真矢の誕生日、欲しいものを訊ねてみたら珍しく財布が欲しいと即答したのだ。あの真矢が。

『即答するなんて珍しいな』
『どうしても万尋さんから贈ってもらいたくて』
『”どうしても”?』

真矢の口ぶりに一瞬疑問が浮かんだが、決まっているならそれにこしたことはない。
早速色々と二人で選んでいるうちに、何となく自分も欲しくなってきてしまった。

『俺のも一緒に買おうかなあ』
『あ、じゃあ万尋さんの誕生日も来月なんだし、お互いに財布贈りあおうよ!』
『そっか、それもそうだな。じゃあそうしよう』

その時の真矢の顔はやたらと上機嫌で、宇崎も一緒に何だか嬉しくなったものだ。
その後も真矢は余程嬉しかったのか、財布を出す度にニコニコと満面の笑みを浮かべていた。




思い返せばなんとなく気恥ずかしくなって、宇崎はクロウへ曖昧に濁した返事をしながら早々に財布を仕舞った。

「じゃ、もう帰ろー」

そんな宇崎を見て、クロウは「そういえば」と思い出したように再び口を開く。

「財布を贈る意味って知ってる?」
「えっ、意味なんてあんの?」

驚く宇崎に、クロウはニヤリと頷いて一歩近づいた。
そうして耳元に囁かれたその意味に、宇崎は今度こそ顔を真っ赤にして言葉を無くしたのだった。


”大好きなあなたとずっと一緒にいたい”