三毛田
2024-08-22 12:58:40
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27 07. 笑ってくれたら(例えそれが自分の物じゃなくても)

27日目 笑いが止まらないらしい

「丹恒も、笑うんだ」
 なのが斜め上のことを言って、他の三人が笑っていて。
 それを見て、思わずそんな言葉がこぽれ落ちた。
 いや。丹恒も人だから、笑うのは当たり前だ。わかっていたはずなのに、クールで無表情で無口な印象が強すぎて。
「あ、穹! ようやく起きたんだ。早く来て! みんなひどいんだよ」
 ぷんすこ怒りながら、俺の腕を引いて丹恒の隣に座らせる。
 何で丹恒の隣? なんて、抗議する間もない。
 するはずも、できるはずもなくて。
 だって今、思い出し笑いをした丹恒が、それを必死に隠すように俺の肩に手と額をくっつけているのだから。
「丹恒~!」
 笑うなー! と、なのが肩を怒らせて。それを見て、姫子とヴェルトが微笑ましそうな視線を彼女へ向け。パムは、やれやれ。という表情を浮かべて。それから、俺にベリージュースをくれる。
「パム、ありがとう」
「どういたしまして」
「みんな笑いすぎ! 穹、何とか言ってよ!」
「俺、なのが何言ったか聞いてないし。みんなが笑ってるところからしか知らないもん」
 適温よりちょっとだけ冷たいジュースは、程よい甘みで。置いてあるクラッカーに手を伸ばして口へ。
「丹恒、食べた? これ美味しい」
 多分、クリームチーズの乗ったもの。美味しかったので、もう一つ取って呼吸を整えようとしている丹恒の口元へ。
 驚いたように俺を見上げるが、素直に口を開けて咀嚼する。
「確かに、美味いな。パム、美味いぞ」
「うん。すごく美味しい」
「それはよかった」
 俺たちが美味しいと口にすると、パムは嬉しそうにして。
「ふっ。ふふっ」
「丹恒?」
 俺の肩にしがみついたまま、また小さく笑いをこぼし。
 流石にこれはおかしいと思ったのだろう。みんな一斉に丹恒をみる。
「こういうのって、箸が転がっても笑うってやつだっけ?」
 そんな単語をアーカイブで見た。
「何か変なもの食べた?」
「穹が来るまで皆同じものしか口にしてないわ」
 なのか見回すが、姫子はそう答えて。パムも頷いている。
「丹恒だけ何か食べた可能性はあるだろう。資料室のゴミを調べてみるか」
「俺が調べるよ。丹恒、離して」
「ふふっ。穹、俺も行く」
「はいはい」
 丹恒を引っ付けたまま、客室車両へ。
 資料室のゴミを漁り、見慣れないものを見つけた。
「丹恒」
「つ、通販で適当に買ったものだ。アーカイブの整理中、外に出たくなくてつい」
「も〜! ちゃんとしたサイトで買い物しないと駄目だってば」
「ふ、んふっ」
 俺は怒っているんだけど、笑っている。