koto
3255文字
Public れめしし😈🦁
 

No title

配信中の叶さんを無言で煽る敬一君
視線に耐えかねてイチャつく叶さんと敬一君が見たいなと思って書いた話
🔞までは全然いきませんがお触りはある

獅子神が仮眠用のソファベッドに座ってから、かれこれ十分程が経過しただろうか。斜め後方から眺める叶の顔はメイクが落とされ、目の中の赤いスマイルマークも不在だ。ストリーマーのレイメイとしてのトレードマークは削ぎ落とされてるのに、声だけがいつもの配信と同じだから、そのちぐはぐさがどうにも不思議な心地にさせる。
もちろん、そんなことが分かるのは今同じ部屋に居る獅子神だけで、ゲーム画面に合わせ実況する叶の声だけを聞いている観測者諸君の頭の中ではいつもと変わりない姿が浮かんでいるのだろう。

カチャカチャと器用に操作する指を見つめる。ゲームでは無遠慮に少し乱雑に最短で最適な動きを繰り返すその指が、自分の肌を滑る時にはその表情を変えることを獅子神は知っている。
ゲームのように弱いところだけを的確に狙って攻め立てそうな男だが、驚くくらい繊細に焦れったいくらいゆっくりと紐解くように動くこともある。身体のコンディションや気分で感じ方が変わると教えこんだのは、その長い指と大きな手だった。
もうよく分からなくなるくらいに自分でも知らなかった性感帯を暴かれて、酩酊感に包まれた頃合で口元に指を添えられると獅子神は口を開けてそれを招き入れる。含んだ指がまた少し中で意地悪く動き回ると、たまらなくなり噛まないように気をつけながら舌を絡めチュクンチュクンと吸い上げる。人差し指に続いて中指も捩じ込まれ、二本の指で舌の付け根近くを軽く押されて。一瞬嘔吐きそうになるが、すぐに持ち直して喉の奥まで使って吸い付く。叶はそんな姿をどこか機嫌良く眺めながら、もう片方の手で側頭部を撫でたり耳の穴へ指を突っ込んできたりする。
口の中も耳の片方も叶で塞がってるところに、空いている方の耳へ叶は唇を寄せる。耳にはギリギリ触れないくらいの至近距離で唇が動く気配だけを感じながら、囁くように声を注がれる。ナイショ話みたいに小さく鼓膜を震わされると腹の奥の方で微かに燻っていたのが焚き付けられる。
今みたいな配信中の声も獅子神はもちろん好きだが、あっちはもう反則に近い。

獅子神は依然として配信を続ける叶の忙しなく動く指から口元、そうして首筋へと視線を巡らせる。
観測者たちが目にする叶の姿はいつもの格好がほとんどで、だから斜め後方からこの首筋のラインを見る機会はあまり無いんじゃないかなと考える。別に当人が隠しているわけではないが、隠れているところってのはどうにも見てみたくなるのが人情かもしれない。獅子神にとっては特別珍しい場所でもないので、レアだからという理由で獅子神がそこに価値を見出したりはしない。獅子神の中でそこが掛け値なく良いものに映るのは、例えば必死な表情で顔を付き合わせ、あと数ストロークで視界が真っ白になる直前。少し濡れて毛先がはりつき、首筋のライン上に汗がツっと流れる瞬間。思わず手を回した首筋が汗ばんでいるのが実は好きだったりする。
今はまだ涼し気でそんなものは片鱗も伺えないそこを獅子神は視線で撫で付ける。あとは……

獅子神がモニターに向かう叶の頭のてっぺんから爪先までを鑑賞しつくそうかとしたところで、叶の指の動きが止まった。
「観測者の諸君、今日はここまでだ」
どうやら配信が終わる頃合になったらしい。もともと予定していた配信ではなかったようで、そこまで長くやるつもりがないのは獅子神も分かっていて、だからこうして終わるのを大人しく待ちながら見学をしていた。ただ、流れ的に少し唐突ではある。
「早いって?文句言ってんじゃねーよ。最初からちょっと時間潰しのゲリラだって言ってた……あぁ?フツーだとか他の奴がどうこうなんて知るか。オマエらが気にすべきはオレだけだ。勘違いしてんなよ?」
そんな捨て台詞とともに配信は切られたようで、叶の頭からヘッドセットが外される。ふぅ、と小さくため息を吐いたかと思えば叶がゲーミングチェアごとくるりと回転した。
「お、やっとこっち向いたか」
「もー、完全に狙ってやってたでしょ?」
少し恨みがましくクレームを入れる叶に獅子神はニヤリと笑みを浮かべる。
「んなもん、当たり前だろーが」
「敬一君、観測者に恨まれるぞ」
椅子から立ち上がり自分の方へと歩いてくる叶を獅子神はどこか楽しそうに眺める。思惑どおり叶が釣れたのだから楽しくもあるだろう。獅子神の欲を帯びた視線に叶はもちろんしっかりと気付いていた。
「恨みでオレに視線が集まればオマエを視る奴減らせんな」
「ナニソレ。そんなの興奮しちゃうじゃん」
獅子神の前に辿り着くとそんな言葉をかけられ、叶は思わず真顔で応じる。
「こちとら、さっきからずっとおあずけくらってて煽ってんだよ」
座っている自分よりだいぶ高い位置にある叶の顔を見上げながら、少し不貞腐れたようにそう言うとちょいちょいと指を動かし招き寄せる。
事実、少し時間をかけて入念に準備をしたというのに風呂から上がれば寝室に叶の姿はなく、時間潰しとは言え自分以外の不特定多数に向けて話しかけてるのだから獅子神としては正直面白くはなかった。こっちはその気なのだから余計にだ。
「いつからこんなこと言う子になっちゃったんだか」
呼び寄せられるがまま、叶は片膝をソファに乗り上げると腰を屈め顔を近付ける。
「オマエのせいだよ、て言えば満足か?」
「挑発するねー。欲求不満?」
「何度も言わせんじゃねーよ」
軽く顔を傾ければ、心得たとばかりに叶は唇を塞いでくる。唇が触れ合った瞬間、獅子神は無防備に軽く開かれていた叶の股ぐらに手を伸ばすと、そのままするりと撫であげる。一瞬ピクっと叶の身体が跳ね、獅子神は気を良くする。柔らかなスウェットの肌触りを手で感じながら、二度三度と繰り返し下から上へ撫であげれば、啄むくらいだった軽いキスがいつの間にか深くなり、布の下では徐々に叶のモノが形をハッキリとさせてるのが見なくても伝わってくる。息継ぎが苦しくなるくらいに舌を絡めあわせながら、隠しようがないくらいに質量を増した叶のモノを逆手に握ると手のひらで揉みしだきながら指を伸ばし、その下の部分をくすぐるように動かす。
先に口を離したのは叶で、獅子神はご満悦だ。
「ここで?向こう?」
少し性急に尋ねる叶に獅子神は一瞬考える素振りを見せる。
「向こう、腰痛くなるだろ」
「オレの腰の心配なんて余裕じゃん」
叶が正しく理解したとおり、獅子神の言葉が指していたのは叶の腰で。中途半端な高さのソファベッドで無理をしたらどうなってしまうか。叶の腰が使い物にならなくなるのは獅子神としても由々しき事態だ。
「決ーめた!もう許してってギブするまで鳴かせよ」
「そっちこそ、一回でくたばんなよ」
そう言い二人で顔を突き合わせると、次の瞬間には叶がイタズラっぽく笑みを浮かべ、獅子神は小さく吹き出す。
「先行ってて?」
ソファに載せていた足を床に戻すと、叶は部屋を出がけにそう声をかける。
「あ?」
「エナドリ持ってくる」
どこに行く気かと思えば、そんなことを言うので獅子神はいよいよ笑いを堪えられない。エナドリが必要になるくらい長丁場を予定してるらしい。
部屋を出ていく背中に、オレの水も、と声をかけようとして口を噤む。別に遠慮してというわけじゃなく、きっと言わなくても持ってくるんだろうなと思い直したからだ。そう思える程度には甘やかされてる自覚が獅子神にはある。

部屋を出ると静まり返った家の中で少し離れたキッチンから叶の鼻歌が聞こえてくるものだから、獅子神は笑いを噛み殺し寝室のドアを開ける。そのままボスっとやたら広いベッドに倒れ込むとクックッと肩を震わせ笑ってしまう。どんだけ浮かれてんだ、と思いながらも人のことを言えない自分も居て、おあいこだなと自分で呆れてしまう。
叶が姿を現すまでのほんの数十秒をこんなにも待ち遠しく浮かれてるのだから、あるいは自分の方が重症度は高いかもしれないと思いつつ。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
マシュマロ
読後の一言などいただけたら大喜びです

投稿一覧はこちら
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈