三毛田
2024-08-18 12:27:41
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23 03. 肩口に花びら(触れたいのは自分)

23日目 何気なく君に触れられる花びらがずるいと思った

「丹恒、触っていい?」
「急にどうした」
「肩に花びらついてる」
 俺が自分の肩を叩いて示すと、そっと手で払って。
「取れたな」
 ああ、残念。と思っていたら、黒髪の中に目立つ色。
「待って。髪にもついてる」
「どこだ」
「髪の毛の間だから、俺が取るよ」
「頼んだ」
 そう口にすると同時に、軽く膝を折って。
 ドキドキしてるのがバレませんようにと祈りながら、そっと丹恒の髪の毛に触れる。
 見た目よりも柔らかいし、いい匂いがするのは気のせいじゃないよね?
 深呼吸してから、花びらを取る。よく見たら、もう一枚あったのでそちらも。
「もういいか」
「うん。もう大丈夫」
「そうか。助かった」
 いつもより表情が柔らかい気がする。少しだけ、だけど。
 気のせいじゃなかったらいいなと思いつつ、歩みを再開。
 俺は、丹恒が好き。
 いつ好きになったのか、切っ掛けは何だったのか。よく覚えていない。
 目覚めてすぐに見たのが彼だったから刷り込まれていた可能性はあるし、少しずつだけど信頼を寄せてもらえているのを感じ取ってっていうのもあるかも。
 肩を抱いたり、手を繋いで歩きたい。
 キスもしたいし、それ以上のこと――一般的な恋人たちがするであろうことを、きちんとアーカイブで調べた――もしてみたい。
 まあ、告白しなければ恋人になんてなれないだろうけれど。
 集合場所へ向けて、二人で歩く。もっとゆっくり向かってもいいんじゃないかと思うけど、真面目な丹恒だからそんなことはしない。
 風に吹かれて、花びらが舞う道。
 こんな星があるのだと、ただただ感動する。
「穹」
「わっぷ」
 名前を呼ばれて、驚いたことでもつれた足。立ち止まった振り返った丹恒の胸に飛び込む。
「大丈夫か」
 特に驚いた様子も、嫌悪を抱いている様子もない。それはそれでちょっと。
 いや。それよりも、丹恒の胸ってふかふか過ぎない?
「いつまで抱き着いている」
「ああ……
 ベリッと剥がされてしまう。残念。
「転ぶのなら、なるべく一人で。もしくは俺だけにしろ俺以外を巻き込むと、その相手が怪我をする」
「丹恒はいいの?」
「まだ俺ならお前を支えられる。おい、穹」
 抱きしめると、慌てたような声。
「俺、丹恒が好き」
 腕の中で、肩が跳ねる。
 拒みたいのか、ただ単に驚いたのか。俺にはわからないと思っていると、コートを掴んできて。
「丹恒?」
「俺には、他者を好きという感情はわからない」
「それならそれでいいよ。ただ伝えたかったっていう俺の我が儘だから」
「いいのか」