こま
2024-08-14 20:48:17
592文字
Public 曜杜
 

曜杜妄想3_240814 曜と本の話

少しずつ距離が近づいた頃の曜杜。

MBCC管理局内、杜若の部屋。

書棚の前で1冊の本を手に取り、頁を捲る曜。

「気に入ったものでも見つかりましたか?」
香を焚いていた杜若が曜に声を掛ける。

ああ、うむ。杜若、この本を借りてもよいか?」

「ええ、構いませんよ。どの本ですか?」

「これだ」

「!」
曜が見せた表紙を見て目を見開く杜若。
それはかつて煦が面白いと評した本だった。

「どうかしたか?」

いえ、何でもありません」

僅かに首を傾げる曜。

「何故この本を選んだのか聞いても?」

「うん?うーん。この本を手に取るのは初めての筈なのだが。どこかで読んだ事があるような懐かしいと言うかすまぬ、上手く説明できない」

……っ」
曜の言葉に驚く杜若。

「杜若?何か問題があるならこの本は

「いえ。持って行って大丈夫ですよ」

「そうか?」

「ええ」

ありがとう。明日には返す」

「そんなに急がなくても暫く借りていて構いませんよ」

「いや、明日白砂の海に戻るからのぅ」

「え?昨日こちらに帰ってきたばかりでしょう?」

「うむ。定期報告と検査で戻っただけなのでな」

「そうですか」

「では、そろそろ部屋に戻る。邪魔したな」

「いえ」

一礼して部屋を後にする曜の背中を見送り、一人になった杜若。

まさか、そんな」