三毛田
2024-08-10 13:56:34
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15 05. 上手な子供のふり

15日目 上手くいかなかった

「うわっ」
「穹!」
「三月、よそ見をするな!」
 二人の叫び声を最後に、俺の意識は途切れた。
……
「穹! よかった。目が覚めたんだね」
 目が覚めて、目の間にあったのは綺麗なピンクの瞳の女の子。
「穹、大丈夫か」
 そして声をかけてきたのは、こっちもこっちで綺麗な人。でも、声の感じから多分男の人。
「お兄さん、俺のお嫁さんになって!!」
「は」
「え」
 綺麗な碧の瞳を見た瞬間、胸を射抜かれた。だから、勢いよくプロポーズをしてみた。
 スルーされたけど。
「ねえ、丹恒。これ、穹だよね?」
「見た目が変わっているわけではない。だが、もしかしたら中身が後退しているのかもしれない」
「ええ~~!?」
 うわ、うるさ。
 ピンクの瞳のお姉さんが叫んだので、耳を塞ぐ。口に出さなかったけど。
「ヘルタ? ヘルタに連絡!?」
「落ち着け、三月。こちらから彼女に連絡することは穹以外難しい。しかも、その穹がこんな状態だ」
「うう……こんな時、アスターが一緒に来てくれてたら……
 お姉さんは、頭を抱えてしゃがみ込む。俺も真似して隣にしゃがみこむ。
「さっき奇物を拾ったと言っていたから、その影響かもしれない。どうした」
 下から見上げたお兄さんは、さっきよりも綺麗で。俺の視線に気づいて、少しだけ目元を柔らかくして声をかけてくる。
「お兄さん。結婚できないなら、恋人になって!」
「悪いが、先客がいる」
「むぅ」
 って言ってるのに、俺を見る目つきや視線は変わらなくて。でも、なんでだろう。
 その顔を見てるとドキドキが止まらない。
……穹?」
 目をそらせないでいると、目の前に膝をついて俺の頬に手を伸ばして。
 その動作が、すごくえっちで。
 今日も丹恒は綺麗だな。と思ったところで、いつもの自分に戻ったことに気づいた。
「穹、大丈夫か」
「大丈夫だよ、お兄さん」
 ここは上手いこと誤魔化さないと。まだ子供のままであると思いこませないと。
 多分、なのは引っかかってくれる。丹恒は五分五分だ。
「大丈夫ならいい。三月、次のエリアが休憩だったはずだ。一度そこに逃げ込もう」
「了解。ウチが先に行って、残りの敵がいないか確認するよ」
「ああ、頼んだ」
 弓を手に、なのはゆっくりと進んでいく。
「穹」
「どうしたの? 丹恒」
「戻ったのか。思ったより早かったな」
「あ」
 いつもの調子で反応してしまった。
「まだ三月には、黙っておいてやる」
「ありがとう。それでさ。恋人の先約って?」
「お前のことだ」
「ですよね~」
 すごく嬉しい。