Raven
――
午前2時、戦友からメッセージが届く。
メッセージは古めかしく、モースル信号で届いていた。
『デートヲシヨウ、ドッグデマツ』
洒落た誘いだ。しかしラスティはそれが素敵な誘いではないと気付いていた。
彼はグロッグ19を腰のホルスターに収め自室を出る。
ドッグのキャットウォークから1階を眺める。
ドッグの中央、彼女は1人佇んでいた。月明かりに照らされた彼女の髪は絹布のように艷やかで美しい。
静脈が透ける肌は青白く、月下美人を思わせた。しかし彼は知っている、それは擬態だと。
落下防止用で囲われただけの簡素な昇降リフトへ乗り込む。
降下と書かれたボタンを強く押す。
ホルスターに納めた拳銃のグリップを握り、セーフティを外す。
リフトが作動し、降下を始める。
彼女を見る。
彼女は歯をむき出しにして、嗤い、鳴く
――
天井が崩れる。
天窓の硝子が雪の様に舞い落ちる。
月明かりを反射して発光する砂塵を纏って、赤い目のAC《サイクロプス》が彼女の傍らに降り立った。
予想は当たった。
鴉は戯れに獲物狩りに来たのだ。
リフトが止まる。
ラスティは銃を彼女へ向ける。
「やあ、ラスティ。今日は良いデートにしよう」
鴉は心底嬉しそうに言った。
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