三毛田
2024-08-07 09:24:21
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12 02. ペパーミントの舌

12日目 甘さはまあそれなりにある

「うわっ」
「どうした、穹。何があった?」
 俺の悲鳴に、慌てたように撃雲を手にする丹恒。
「ご、ごめん。大したことじゃないんだ」
 と答えながら舌を見せれば、納得したように撃雲をしまってくれて。
 この間ネットショップで買った、ドロップスというもの。
 瓶ではなく、四角い缶に入っている飴。毎回どれが出るか楽しみなのだが、ハッカと呼ばれる清涼感のある飴だけは苦手なのだ。
「またか」
「ごめん。お願い」
 丹恒は、そこまでこの味が嫌いじゃないので口移しでもらってくれる。
 今も、呆れた顔をしつつ、俺の頰を両手で挟んでから唇を重ねて。
 そもそも、缶から出した時点で戻せばいいのだが、出してすぐ口へ入れてしまうので色を確認していないのだ。
 そして、学習しない俺はハッカ味を口へ放り込んでは悲鳴を上げ、何度もこうして丹恒に頼っている。
 何度もキスできていいのだが、いかんせん口の中がスースーして落ち着かない。
 モチのロンだが、ミント系も苦手だ。
 少し前だが、なのが買ってきてくれたチョコミントという名のついた飲み物もアイスも、一口だけでギブアップ。
 その時もなのに俺が口をつけたものを返すわけにはいかず、丹恒に処理を頼んでしまった。
 その日のキスは、ずっとスースーしていた。地味に辛くてずっと涙目だったのはいい思い出。
「ん……
 上手く取れないのか、何度も舌を絡めてきて。
 ああ……
 丹恒とディープキス状態で嬉しい気持ちと、唾液で溶けて口の中がスースーしてきて辛くなってきたことでごちゃごちゃだ。
「よし。穹、すぐに水を飲むとますますスースーするからな」
「はーい」
 さっきまでうとうとしていたから、良い眠気覚ましになったのだろう。少しご機嫌だ。
……口の中が落ち着いたら、たくさんキスをすればいい」
 俺が唇を眺めていたら、キスをしたいと勘違いしたようでそんな言葉を。
 あの丹恒が自ら誘ってくれてる?!
 丹恒はいつでも俺を甘やかしてくれる。だから、つい調子に乗ってしまう。
「じゃあ、ここをきゅんきゅんさせて待っていて」
 抱き寄せて、下腹部のあたりを撫でながら耳元で囁く。
「ぐえっ」
「破廉恥だ」
「篭手をしてる方で肘鉄はやめってばぁ」
 うう。みぞおちにクリティカルヒット。まあ、股間に膝蹴りじゃないだけマシかな。
 前に人型の敵の股間に容赦なく膝蹴りを入れたり、撃雲の柄で殴ったりしていたし。
 とりあえず、耳も首も真っ赤なので、断られることはないだろう。
「部屋で待ってるからね」