akinoshiroihana
2024-08-04 13:52:08
1497文字
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天井からテディ

ベッタープラスのテスツ
名刺ssに収まらなかった竜隼でceasefire



寝室の方から呼ばれたから

「クスリは俺が探すと言っただろ」
お前さんの鼻にまかせてタイガーバームばっかザクザク発掘されちゃたまんねえや、

そう、艶っぽい方のお誘いだった場合をいなしていたのだが。竜馬は空きっ腹のはずがなかなか戻ってこようとしないでいて
「いいから来い、来いってそんで見てくれよ―――何だこれ」

ゲッターの戦闘後、分離して地上に降りてみれば、そこはメカザウルスにやられたのでもない元から数十年来の戦闘区域らしかった。これなら迷惑も小さくて済んだかなと言っていれば、博士からは「なんなら一緒に検問所を越えたい避難民の助けくらいはできるかもしれんから」との待機命令、取りあえずは近場での空き家での家捜し(必要なものをお借りしました、とのメモをかならず残していくこと)、その途中だったのだが

「なんだこれ」
身の丈1メートルはあろうテディベアが寝室の天井から首を括られてくるくる回っている。その顔を覗き込んでみれば、両目にはナイフが柄まで深々と刺さって。これを突き通すには男でもそれなりに本気の力を込めただろう。
「なあ」
自分の手を掴む竜馬の強い力に、隼人は常ならぬ当惑を感じ、だから一度目を閉じため息をついた。

「俺のときと同じだよ。
逃げおおせた奴に『てめえをこうしてやれなくて残念だ』って。
俺の校舎でも趣味の悪いクリスマスツリーみたいにされたのが、いただろ?」
あれは生きた人間でだったが。
「あー……。けどよ、こんなモンでこんな真似するのは……意味あんのか?楽しいのかよ?」
「楽しいんだよ」
「なっ」
前の戦争でも、残されていた女達の下着を身に付けて見せて笑い、侮辱している写真なんかよくあっただろう?あれは「敬虔そうな恰好してこんな下着着てやがるのか、エロいじゃないかアバズレめ」「帰ってくる場所など無いぞ」という嘲笑と脅迫であり、彼女たちを辱め、疑似的に犯した気にさえなってるのさ
え、ええ?
お前のブラを俺が付けているぞ、お前のショーツを、お前のあそこが当たるところに俺のコレが入っているぞ、疲れ切ったお前が倒れ込みたいお前のやわらかいベッドの上に汚れた軍靴で
あ!っ、やめっわかった!ちくしょ、今バッチリわかったからもういい!……俺ゃてっきりああいうのはセンソウで頭がイカレちまった可哀想な奴らなのかと思ってた…………意味わかんなかったよ、俺らとは関係ないとこの話って……畜生。
強く握り込んで拳のかたちに近くなった竜馬の手と目線の先、隼人のうすら汗ばんだ胸の上、彼の十字架が滑り落ちた。

下ろしてやろうぜ、それでこのベッドに寝かしといてやるんだ、もしかしてこの家の人たちが戻って来るまで。
それでこれからなんか食い物探してくる間、おまえがこの顔、なんとか直してやってくれよなんとかさ。頼むよ、はやと。
どさりと落ちてきた大きなふわふわを抱き止めれば、なぜか自分にそっとかけられた羽布団を見、隼人はばたばたと遠ざかる戦友の足音を聞いた。何をどう理解したらああいう反応に至るのかと、些か眉をひそめながら、彼は突き立てられたナイフに手をのばす。


『愛スル者ガ イル限リ』


ひるさがり、タル·アル=ハワ
ガザ区西
Tal al-Hawa, in the west of Gaza City
14:00

ceasefire. stop genocide
ひとごろしをやめろ


武蔵が防具の修繕用のペンチと畳針を使うのは、コックピットに持ち込んでいるだろうか、散々叱られてもやめない袋菓子や天地真理のポスターみたいに

(了)