しゃどやま
2024-08-02 18:44:37
1671文字
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【モクチェズ】バニーバニー

モクチェズがバニーの日で楽しむ話です。プレイの話をしているのでR15ぐらいの話です。

 ホテルの部屋に準備されていたバーセットの前で、チェズレイがポーズを取る。長い脚に見惚れ、モクマは手にしていたぐい呑みを落としかけた。
「おおっ!」
「どうです? ちょっとした余興に……♡」
 いつものチェズレイではない。その長い脚は目の細かい網タイツに覆われ、足の付根まで露出している。レオタード型の黒いレザーは、胸元を半分ほど覆う。むき出しの首筋に、無意味な付け襟と蝶ネクタイ。いわゆる、バニースーツ姿だった。
「いいねえ、ロマンだねえ!」
 モクマがひゅーひゅーと口笛を鳴らすと、チェズレイはくるりと回転して魅せる。真っ白い背中が無防備にさらされ、ポニーテールが美しい軌跡を描いた。
「お前さん何着ても似合っちゃう……♡」
「当然のことです」
 チェズレイは蠱惑的に微笑む。頷くたびに、黒いバニーの耳がぴこぴこと揺れた。カッコつけているのに頭の上に愛嬌があり、モクマの酒が進む。
 ね、と言いながらチェズレイはモクマの眼前に体を倒す。胸元に手を添えて、囁いた。
「ラビットホールに飛び込んでみたいとは思いませんか……?」
「え、エッチな意味かい?」
「違います。兎の巣穴に潜り込んでしまったように……脇道にそれて夢中になってしまう喩え」
……そいつは、素敵なお誘いだね」
 にやりと笑ったモクマはサイドテーブルにぐい呑みを置く。指先を伸ばし、チェズレイの胸板をなぞる。白い胸を隠すレザーに手をかけて、カリ、と引っ掻いた。
「ん?」
 モクマは目を丸くして、レザーと肌の境界に指をねじ込もうとする。両手でペタペタと胴体を触った。
「全然このバニースーツ、胸のところぺろんってならないんだけどっ?」
「浅ましいですねェ……ポルノ撮影用のコスチュームならともかく、こちら一級品のオーダーメイドですので。容易に脱がせられるようなものではありません」
「トホホ……観賞用ウサちゃんなのね……
 チェズレイは泣いたフリをするモクマを見下ろし、誇らしげに耳を揺らす。そして、タブレットをテーブルから持ち上げた。優雅に操作し、モクマに差し出す。
「でしたら」
「ん?」
 モクマが目を落とす。そこには堂々とポルノサイトが表示されていた。男性モデルと女性モデルが、全裸で並んでバニーの耳をつけている。
「耳だけ?」
「こちら……逆バニーと呼ばれるもので、通常のバニースーツの逆……胴体が露出されている物です。代わりに手足を覆っています」
「ゴクリ……
 そう言われれば、モクマの目にもバニーらしいあしらいが映る。付け襟やカフスは残しているようだ。長いソックスにも納得がいく。
 ……チェズレイが着たらすごいだろうな。えっちの権現になっちゃうかも。ニップレス剥がさせてもらえるかな。
 心を読んだかのように、チェズレイがモクマの耳にぽそぽそと吐息混じりで話し出す。
「乳首はニップレスで隠しているものの……このような格好、隠したほうが羞恥に身を焦がしてしまいます……♡ プレイするためのコスチュームですね♡」
「す、素敵だね……♡」
「そうでしょう?」
 チェズレイはにっこりと、満足そうに微笑む。そしてモクマの手を指先で撫でた。
「では、続きは逆バニーで……♡」

 モクマは手で胸と股間を隠し、叫んだ。
「って何で俺が逆バニー着とるのっ?」
「素敵、と仰っていたではありませんか」
 モクマの筋肉質な肉体が、ラバーの手袋とソックスで飾られている。もじもじと体を捻っているが、割れた腹筋も逞しい背中も隠せてはいない。コミカルな仕草では誤魔化せない猥雑さがあった。
「あの言葉は偽りですか?」
「それはその、チェズレイが着たらいいな〜って……
「御自身では着られないものを私に?」
「ハイ、すみませ……
 チェズレイは怒りの仮面をすぐ外す。ここまでプレイだったのだろう。モクマの腕を取り、寝室へ軽く引く。顔を近づけて囁いた。
「ご安心を♡ 私も着替えて参りますので」
……うんっ!」
 モクマはときめきフェイスで頷いた。

(おしまい)