三毛田
2024-07-29 21:34:12
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03. 手を繋いだら

3日目 まだ付き合ってません

「丹恒、丹恒。ここの貘巻きがね美味しいんだ〜」
「こら、穹。走るな」
 丹恒の手を引いて、金人港へ。
「コウおばちゃん! 繁盛してる?」
「おや。あんたかい。そっちは?」
「俺の彼女。恥ずかしがり屋で人見知りだから、帽子の下は内緒」
 唇に指を持って行くと、コウおばちゃんは、一瞬目を丸くして。それから、にこりと笑う。
「それじゃあ、熱浮羊乳はまけてあげるよ。他には?」
「獏巻き一つ、蓮根餅は二つ!」
「玉実鳥串は?」
「一つ! 二人で分けるから」
「はいよ」
 コウおばちゃんはニコニコ笑いながら用意してくれる。
「穹」
「大丈夫。帽子をとらなければ、バレないって。買ったら、移動するから」
 不安そうな声で俺を呼ぶ丹恒。繋いだ手にも力が入っていて。
 そっと耳打ちしても、不安そうにしていて。
「お待たせ。熱いからね」
「ありがとう! また来るよ」
 荷物をきちんと抱え、繋いでいた手を離してからコウおばちゃんに手を振ってその後丹恒の腰に回す。
 アンカーで鱗淵境の顕龍大雩殿に飛ぶと、驚いたように周囲を見回す。
「どうして」
「ここなら滅多に人が来ないからさ。ちゃんとレジャーシートもあるし」
「だが」
「心配なら、そこら辺のモンスターを倒してから食べよう?」
……冷めたら、美味しくなくなるだろ」
 ちょっとだけ呆れたような表情を浮かべ、それから帽子を脱ぐ。
 あー……キスしたい。
 でも、まだできない。
 二人でレジャーシートを敷いて、それから肩を寄せ合って少しずつ分け合って食べる。
 古海は、静かで。時々そちらを見る丹恒は何を考えているのかと思ってしまう。
「丹恒、やっぱり嫌だった?」
「いや。お前と一緒なら、余り嫌だと思っていないことに気が付いた」
 深呼吸した後、一口大に分けた獏巻きを口へ運び。
「お前といると、色々なものが塗り替えられていく気がして。呼吸が少し楽になる」
「そっか」
 熱浮羊乳を飲む。と、丹恒は笑みを浮かべて。
「ん?」
「唇の上についている。拭くから動くな」
 優しく笑って、そっと綺麗にしてくれる。
 好き。好きが溢れて、止まらなくなりそう。
「丹恒」
「どうした?」
「好き」
「うん」
 優しい表情のまま頷いて。
 そっと手を重ねると、握り返してくれる。
 好きが募って、泣きそうになる。でも、泣いたら心配させてしまう。
「まだ蓮根餅が残ってるぞ」
「あーんして」
「仕方ないな」
 俺が口を開けると、口元まで持って来てくれて。
 丹恒って、本当俺に対して甘いよなあ。
 頷いてくれるまであと一押し?