三毛田
2024-07-28 15:11:23
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02. 初めての約束

2日目 デートの約束。まだ付き合ってない。あと一押し

「た~んこ~!!」
「こら、走るでない!」
 パムに怒られたので、急ブレーキをかけて走るのをやめる。
 ソファーに座って本を読んでいた丹恒は、一連のやり取りを見ていたらしく呆れたような表情を浮かべて。
「隣に座っていい?」
「ああ。何か飲むか」
「用件を伝えたらすぐに行くから」
……そうか」
 丹恒の反応が一瞬遅れる。
 あの丹恒先生が? 実は寂しいとか?
 とは思っても口にはしない。そんなこと思ってないとか、否定しそうだし指摘されたくないだろうから。
「じゃあ、一杯だけ。パム、今日のおすすめジュースは何?」
「姫子のコーヒーじゃろ。ヴェルトがレシピを提供してくれたえーと、なんじゃったかな。複雑な名前のジュース。ベリージュースに、丹恒が飲んでおるミルクティーじゃ」
「じゃあ、ミルクティー。砂糖多めがいいな」
「待っておれ。ここでいいか?」
「うん」
 今にもスキップしそうな勢いでキッチンへ向かうパム。
 今日は何を読んでるんかなって覗き込もうとしたら、もうその本は閉じられていて。
「それで、用事は」
「ん? 丹恒が暇な日に、デートでもしない? って思って」
 テーブルに肘をついて、上目遣いに告げるとどうしてかため息。
「テーブルに肘をつくな」
「はーい」
 手を組んでそれを頭の後ろへ。それでいいというように頷いたので、肘をつかなければいいみたいだ。
「デートと言ってもどこへ」
「んー……星槎海でもいいし、金人港で食べ歩きでもいいし」
 ベロブルグの博物館でもいいけど、誘ったら何時間でもいそうな雰囲気ではある。
 だったら、美味しいものの食べ歩きかなって。
 俺が食べたいだけだけど。
「まあ、正直さ。丹恒と二人になれるならどこでもいいんだけ、ど」
 顔をほんのり赤く染めて、俺からちょっとだけ距離を取る。これは、もしかして。
「丹恒、好きだよ」
「知っている。毎日聞かされているから」
「ねえ、返事は?」
 告白の返事は、好き。とも、嫌い。とも返ってきていない。
「砂糖多めミルクティーじゃぞ。ついでに、クッキーも持ってきた。食べカスを散らかすなよ」
「パム、ありがと~」
 俺が離れると、あからさまにほっとしてるけど、
「丹恒、俺は返事を貰うまで諦めないからね」
 笑顔を向けたら、真っ赤な顔で睨まれた。
 パムからは、ちょっとだけ呆れられた視線を向けられた。ありがとうございます。
……場所は、お前に任せる」
「オッケー。でも、デートの約束は忘れないでよ?」
「お前が、俺を連れていけば済む話だ」