三毛田
2024-07-27 21:39:48
1072文字
Public 1000字
 

01. 告白の行方

ゆったり1000字チャレンジ一日目
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「丹恒、好きです!」
「そうか。俺もお前が好きだ」
 手を差し出しながら頭を下げて、そう叫ぶように告げると。
 いつもよりは柔らかな声色で、丹恒は〝好き〟と返してくれて。
 指先が触れ合って、それから一瞬引っ込められる。でも、それを逃がさぬように素早く掴めば。
「見えていないと思ったんだが」
「ふふふ。丹恒の動きくらい察知できるよ」
「いつの間に」
「だって、いつでも見てるからね」
 握手をするように手を握り。嫌がらないのを確かめてから、手のひらを指の腹で撫でる。
「っ」
 驚いて引っ込めようとするけれど、そんなのは許さない。逃がさない。
「くすぐったかった?」
「あ、ああ」
 握手ですら、余り慣れていない丹恒はちょっとだけ躊躇いがちだ。
「いつでも真面目で、格好いいお前が好きだよ丹恒」
「そうか」
「丹恒は、俺のどこが好き?」
 問いかけると、ちょっとだけ悩むそぶりを見せ。
 若干傷つく。
「泥だらけになっても、絶体絶命位陥っても、最後まであきらめないところは……好きだ」
「嬉しい」
 握手をしている手を離して、勢いよく抱き着いてキスまでしたいけれど、我慢する。
 きっとそんなことをしたら、丹恒は逃げちゃうから。
 どんな過去を過ごしたのか知らないけれど、他者からの好意に拒むような素振りのようなものを見せるし。
 とはいっても、彼の中には明確なラインがって、そこを超えたら。って感じではある。
 だから、それを超えないように気をつけている。今はまだ。
「穹」
「ん?」
「今日は、その……俺に触れている時間が、長いんだな」
「触れている面積が小さいから」
「そういうものなのか」
「そういうものなんだよ」
 いつもは、『丹恒、今から抱き着くからね!』とか宣言して渋々だけど了承を得て抱き着いたりする。でも、今日は、今は、手のひらを重ね合わせているだけ。
……
「どうしたんだ?」
「今日は、その……抱き着か、ないのか」
 照れたようにボソボソと。
 あ~……可愛い。
 日々の調きょ……じゃなかった。慣らしが聞いているようで何より。
「抱きしめて欲しい?」
「そ、そうじゃない」
 と言って手を離そうとするが、離すわけがない。
「穹、そろそろ離してくれ」
 俺が手を離さないでいると、焦った表情を浮かべ。
 ここになのか姫子がいたら、『余り丹恒をいじめない』って怒られちゃう。
「今日は離すよ。でも、俺の〝好き〟と丹恒の思う〝好き〟の差がわかったらちゃんと教えてね」
「違い?」
 首を傾げちゃって本当可愛いなあ。