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kaede
2024-07-22 11:16:27
2844文字
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一彩くんにエチチを迫られた燐音くんが覚悟を決めるはなし
燐一
⚠️品がない
⚠️途中燐音くんが、尻のひとつやふたついくらでもくれてやる、という旨の発言を心の中でしますが最後まで燐一たっぷりです
今までこの話題が出るたびに、子供にはまだ早いだの、もっと都会のルールを覚えてからだの、のらりくらりとかわしては来たが。
「兄さんはそんなに僕とセックス」
「えっち、な」
「
……
えっちをしたくないの?」
愛する弟に、今にも泣き出してしまいそうな思い詰めた顔で迫られて、この後に及んでまだ逃げ場をこさえられると能天気なことを考えられるほど俺は馬鹿じゃない。
天真爛漫が服を着て歩いているような、自分の内側にある暗い感情には鈍感な一彩がこんな顔をするなんて、よほどのことだ、と。驕りでも自惚れでもなく、この子が成長していく年月の大部分を隣で見守ってきた、という事実が、理解を超えた部分で俺にわからせている。
もう俺には、一彩の気持ちを受け止める以外の選択肢はないのだと。
俺だって、なりふり構わず愛し合いたい。それを認めて、その先へ進むしかないのだと。
いや、実際問題、障害は山ほどあるんだが。一彩の年齢とか、一彩が性欲よりも愛情表現として求めている節があるところとか。だから文字通り、まだ早い、と突っぱねて
……
手を出してこなかったわけだが。
けどもう、細かいことをああだこうだと考えるのはナシだ。
何かあれば、全部俺が責任を取る。
だから。
「
……
わかった」
もう後戻りはできない、と覚悟して踏み出した一歩は、一彩のほろほろ崩れる甘やかな笑顔であっという間に早足になった。
抱きしめて、まずは頬に軽くキス。
覚悟は決めた。だが、決めたからこそ、決めることがもう一つある。
「賢いおめェのことだから、えっちのやり方は学習してるだろうけどよォ」
「ウム! 男性同士の性行為は、こうも」
「あー、いや、おめェの知識を疑っちゃいねェから」
まるっきり信頼してるわけでもないが。
この子は賢いのに、素直すぎることが災いして、妙な知識をつけていることがままあるから。
知識なら俺にもあるし、一彩の口からあまり生々しい言葉を聞きたくはない。
「んで、そうなると、だ。タチとネコを決めなきゃなんねェだろ」
「太刀? 猫?」
あー、これはわかってない顔だ。
まあ、この子は教科書通りのことを学んだだけで、俗語までには興味が向かなかったのだろう。いや、それはそれで結構なことだ。
「まァ、端的に言うなら、どっちが尻に突っ込むのか、って話だ」
棒も穴も、二人ともが平等に持っているのだ。どちらがどちらの役目を果たすのか、それは最初に考え、決めるべきことだろう。
ぶっちゃけたことを言うなら、俺が、一彩に突っ込みたい。ここぞとばかりにドロドロに甘やかしたいし、もっと、と甘えられもしたい。だが、それは一彩の意向をまったく考慮していない、俺のエゴでしかない。
俺は一彩がこの世に生を受けた時からずっと、これからも、何があろうとこの子を愛しているし、愛していく。だから、もし一彩が、俺が求めるのとは逆の役割を要求するなら、俺はそれに従うまでだ。
俺はお前のためなら人生も、命だって投げられるんだ。今さら尻のひとつやふたつ、どうってことない。いくらでもくれてやる。
一彩が、こくりと首を傾げる。
「兄さんはおかしなことを言うね」
「おかしくねェだろ」
まさかこの期に及んで、俺とお前の情報が噛み合ってないとかはないよな。
間違った知識を前提にして話していたのなら、最悪、俺の決意はゴミ箱行きだ。
お前を抱くのはやっぱり、まだ早かったん
……
「僕のお尻に性器を挿入するのは、兄さんだよ?」
「は?」
何だその情緒のない、教科書みたいな言い方は。
えっ、お前は俺に抱かれたいのか?
マジで?
いや、いまだに主従関係に縛られて、俺に奉仕するのが君主補佐の務め、なんてくだらないことを自然法則よろしく考えているのかもしれない。
最初から選択肢を持たなかったのかもしれない。
次々わき上がる思考に追いつけねェよ。
「あー
……
お前にだってかわいい
……
いや、まあまあ立派なブツがあるだろ」
「ぶつ?」
「ちんこのことだよ」
「品がないよ兄さん」
「今はそんなこたァ、どうでもいいンだよ」
つーか、品のある言い方なんてあるのかよ。肉棒とかか? むしろそっちのが生々しいだろ。
「もしお前が、俺の方が立場が上だから自分は受け入れる側で当然とか思って言ってるんなら、そういうのはやめてくれ」
はなから適当に言うつもりなんてなかったが、思いのほか真面目な物言いをしてしまった俺に、一彩は、はっとした顔を返す。
「確かにそうあるべきだったよね。兄さんに言われるまで全然考えてなかったよ。うん、そうだね。それも考慮に入れるべきだね」
「いやいやお兄ちゃんの話、聞いてた? そういうのはやめてくれ、っつったろ」
「あっ、そうだったね! なら、それはなしで」
「
……
なしでも、俺に抱かれてェのか?」
「? 兄さんは今、僕を抱いてるよね?」
「あー、そうじゃなくて」
この子と会話をすると、ゴールまで遠回りする羽目になるところが少し、面倒くさい。
だが、不快に思ったことは一度だってない。ゴールでご褒美の笑顔が待っていることを知っているのだから、当然だ。
「突っ込まれる側でいいのか、ってこと」
「ウム!」
「何で」
「何で、って
……
兄さんが好きだからだよ」
「それじゃ答えになってねェだろ。俺っちだっておめェのこと好きだし」
「兄さんも僕に抱かれたい、ということ? それは困るよ」
「何で」
よっしゃ、王手。
ここまで来れば、ゴールまでもう少しだ。
「何で、って
……
それは」
「それは?」
「それは、兄さんにいっぱい抱いてもらって
……
なるほど、だからさっき兄さんは『抱かれる』という言い回しをしたんだね」
「話が逸れてるぞ」
「ああ、ごめんね。
……
うん、いっぱい抱いてもらって、いっぱい甘やかしてもらって、兄さんを独り占めしたいってそう思って
……
」
さっきまであんなに流暢に喋っていたのに、一彩が急に静かになる。
だから、驚きと笑いを噛み殺しながら促した。
「どうかしたか? 一彩」
「
……
ええと、その、これは、僕は、恥ずかしい、のかな
……
?」
だろうなァ。
そんなわけで。
ゴールで待っていた、笑顔よりも貴重な一彩の本音と、自分の本音に今さら恥じらう真っ赤な顔を思う存分拝んで触れて堪能しまくったあと。
お互いの要望通り、俺は一彩を思いっきり抱いて甘やかして、一彩は俺にいっぱい抱かれて甘やかされた。
つまり、セックスした。
えっちじゃないのかって?
俺はいいんだよ。
それにしても。
せめてお前が高校を卒業するまでは、って気持ちは本当だったけどよ。
早々に諦め
……
いや、覚悟してよかったなァ。
あれだ。終わりよければすべてよし、ってやつだ。
「よかったよなァ? 一彩」
「んぅ
……
ん、にいさぁ
……
もっとぉ
……
」
ほらな?
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