雪成はす子
2024-07-21 21:21:52
2281文字
Public 🐧🐬
 

平常心OVER HEAT

🐧🐬🔞
0721の日に因んで0721してるニコイチの話。

昂る熱を吐き出すべく、張り詰めた自身を扱いていく。
「ふ………っ」
シャツを噛んで声を押し殺して、先端に爪を立てるとぶるりと体が震える。
「ぁあ……!」
びく、と一際大きく体が跳ね、手のひらに生温い欲望が吐き出された。
はあはあと荒い息を吐きながら、白く汚れた手のひらを見つめる。
……きったねえの」
吐き捨てるように言って、俺は手のひらを雑にティッシュで拭った。


ひとつ上の幼馴染の事が、ずっと好きだった。
お互いに兄弟が居ない俺たちは、それぞれ兄と弟のように育ってきた。
ひとつ上の、かっこいい近所のお兄ちゃん。俺の、大好きな幼馴染。
でも、そこに劣情のようなものを抱くようになったのはいつからだっただろう?
何時から好きだったかなんて、もう憶えていない。
でも、いつしかペンギンに頭を撫でられる度にドキドキが止まらなくなって。
あの手にもっと触れて欲しいって、心が叫んでるみたいだった。
ペンギンはあくまで俺のお兄ちゃんみたいなもので、そういうモンじゃないって分かってるのに。
それでも止められなくて、止まらなくて―――こうして欲望を吐き出す度、自分の中で育っていく汚い感情に自己嫌悪して。
それでも俺は、この行為を止められなくなっていた。







昂る熱を吐き出すべく、張り詰めた自身を扱いていく。
…………
唇を噛み締め、漏れる息を押し殺しながら先端に爪を立てて自身を追い詰める。
「く……っ!」
やがて自身の手のひらに、生温い欲望を吐き出した。
ふうふうと息を吐きながら、白く汚れた手のひらを見つめる。
「シャチ……好きだ、ごめん、好きだ……!!」
ぎり、と歯を食い縛り、それから震える唇で血を吐くように叫んだ。


ひとつ下の幼馴染の事が、ずっと好きだった。
お互いに兄弟が居ない俺たちは、それぞれ兄と弟のように育ってきた。
ひとつ下の、人懐っこい可愛い弟。俺の、大好きな幼馴染。
でも、そこに劣情のようなものを抱くようになったのはいつからだったろう?
何時から好きだったかなんて、もう憶えていない。
でも、シャチに無邪気な笑顔を向けられる度にドキドキが止まらなくなって。
あの笑顔をもっと、ずっと見ていたいって心が叫んでいた。
シャチはあくまで俺の弟みたいなもので、そういうモンじゃないって分かっているのに。
それでも止められなくて、止まらなくて―――こうして欲望を吐き出す度、自分の中に育っていく凶悪な感情に自己嫌悪して。
それでも俺は、この行為を止められなくなっていた。







「シャチ、ここのコモンレールがちょっと痛んでるんだけど」
「ホントだ、熱疲労かなぁ。ハクガンに言えば直してくれるかな」
「どうだろ。これ重要保安部品で高い鍛造技術と熱処理技術がある所じゃないと造れないって前に聞いた事がある。ただ溶接しただけだとまたいつ痛むか分からねえかも」
「だよなぁ……在庫あったかなぁ。次の島が鍛造技術の高い島だといいんだけど」
ボイラー室の部品を一つ一つ確かめながら、俺は額の汗を拭う。
艦の中でも、ボイラー室はとりわけ熱が籠って熱い。
俺もシャチも、ツナギの上を脱いで腰に纏めて肌着のタンクトップで作業に当たっている。
いつも被っている帽子も脱いで、シャチは後ろ髪を一括りにし、俺は頭にタオルを巻いて作業に当たっていた。
シャチのうなじをつう、と汗が伝う。シャチの汗の匂いと、シャチがいつも使っているフレグランスの匂いが混じる。
柑橘の匂いと、甘い匂い。

―――まずい、これは、駄目だ。

頭に血が上って、思考回路がくらりと揺れていく。顔が、体が熱くなって、何も考えられなくなっていく。
「うわぁっ!!」
不意に、ぐらりと艦が大きく揺れた。同時に大きく体のバランスを崩し、二人揃ってボイラー室の床に倒れ込む。
「いてて……ペンギン、重い」
「っああ、悪い」
シャチの言葉に、俺は慌ててシャチの上から退こうとする。
ボイラー室の薄暗がりの中、ずれたサングラスの奥でいつも見えないシャチの瞳と目が合った。
どくん、と心臓が大きく鳴る。どうしよう、体がどんどん、熱くなっていく。
「ペンギン……?あの、なんか、股間に当たって」
……ああ。当たっちまったか?」
駄目だ、もう止まらない。
シャチの顔が赤いのは、俺のが当たっちまったからか。
シャチの力なら俺なんて突き飛ばせるだろうに、そうしないって事は―――期待しても、いいんだろうか?
「なあ、シャチ」
……な、なに?」
さら、と汗で額に張り付いた髪を掻き分ける。
サングラスの奥の瞳は、何処か不安そうに揺れていた。
「俺、シャチの事が好きだ。だからシャチに触りたい。……いいかな?」
俺がそう問うと、シャチの顔がもっと赤くなった。
暫く左右に視線を泳がせていたが、やがて小さく「いいよ」と言ったのが聞こえた。
サングラスと外して、瞼に唇を落とす。ぼろぼろと涙を零し、シャチはとうとう泣き出してしまった。
……やっぱり、嫌だったか?」
「ちがっ……だって、嬉しくて。おれ、俺もペンギンが好きで、だから」
……そっか」
ちゅ、とキスを落とすと、シャチはいよいよ何も言えなくなった。
ちゅ、ちゅ、と何度も口付けを落とし、頬を濡らす涙を拭う。
「なあシャチ」
口付けの合間に、再度俺はシャチに呼びかける。


「好きだよ、シャチ。だからもっと、シャチに触っていい?」


俺の言葉に、シャチはぱちぱちと瞬きをし―――それからこくん、と小さく頷いたのだった。